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気もそぞろな親子ダンス

9月30日(土)

保育園の運動会の日。小学校の体育館を借りて、4歳児クラスと5歳児クラス合同の運動会がおこなわれた。コロナ禍では、三密(懐かしい響きだね)を避けるために年齢ごとに時間をずらしておこなっていた。今年もそれに変わりはないのだが、4歳児クラスと5歳児クラスが合同でおこなわれるようになったという点が、今年の特色である。

これまでは30分程度で運動会は終わっていたのだが、4,5歳児クラスともなると、10:30~11:50までの長丁場である。4歳児クラスと5歳児クラスが交互に種目をおこなうので時間が2倍かかるということもあるが、バルーンを使った大がかりな演目あり、器械体操あり、リレーありと、内容が充実していることにもよる。

すべての種目が終わった後、最後に親子ダンスというものがある。園児とその保護者が、保育士さんのお手本に合わせて簡単なダンスをするのである。

観客席にいた保護者たちは、保育士さんの合図で体育館の中央に出て、自分の子どものところに向かう。僕もその中の一人である。

音楽が鳴り始め、ほかの親子と適切な距離を保ちながら、ダンスが始まった。園児たちは事前に練習しているので、ダンスの振り付けは覚えているが、保護者は初見なので、保育士さんのお手本を見ながらでないと踊れない。

僕もダンスの振り付けがわからないので、保育士さんのほうに視線を向けると、視界に気になる人物の姿が入った。

おそらくひとつ下の4歳児クラスの子どものパパなのだろう。

(あれ…?一之輔師匠じゃね???)

頭の形といい、髪型といい、適度な顔の濃さといい、なにより苦虫をかみつぶしたようなぶっきらぼうな表情といい、まるで一之輔師匠である。

(もしや…ホンモノ?)

僕の胸は高鳴りだした。まさか、娘と同じ保育園に一之輔師匠のお子さんが通っている、とか???

確信が持てない理由は、 僕は着物を着た一之輔師匠しか見たことがないからである。今日は運動会なので、みんながラフな格好をしている。一之輔師匠がラフな格好をすると、あんな感じに見えるのだろうか?

そうなるともう、気になって仕方がない。保育士さんの振り付けのお手本を見るふりをして、視線は完全に一之輔師匠の方向にロックオンである。ダンスなんかに身が入るわけがない。気もそぞろになり、すっかり挙動不審な動きになってしまった。

ダンスが終わると、5歳児クラスの親子が集合写真を撮ることになっていた。

「こっちに集まってくださ~い」

という呼びかけにも気がそぞろである。ちょっと待ってください、とばかりに、なんとか本人かどうかを確かめようと、その人の近くまで行ってまじまじと顔を見た。

「…一之輔師匠じゃない!!」

たしかに似ているのだが、一之輔師匠よりもかなり若い感じである。そもそも僕は、一之輔師匠のことをそんなによく知らないし、なにより家族構成なんか全然知らないのだ。

しかしあの頭の形と髪型と適度に濃い顔と苦虫をかみつぶしたようなぶっきらぼうな表情は、まさしく一之輔師匠だという確信があったのだがなぁ。

そんな妄想にとらわれたあの時間は一体何だったのか?だれも得しない時間だった。

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