再会巡礼
10月19日(木)
最速の新幹線で1時間半ほどかかる北の中核都市に向かう。
午後から用務があるのだが、朝早く出たのは、そこからさらに在来線で20分くらいの町の施設でおこなわれるイベントを見に行くためである。
その町は、先月もある調査を依頼されて訪れたのであるが、今回は、自分が少しだけ手伝ったイベントの会期中ということで、あらためて訪れることにしたのである。
数日前にそのことをふと思い立ち、この日の午前に1時間ほどうかがいますとメールを送ったところ、受付に着いたらご連絡ください、ということであった。
午前中のうちにその町に到着し、イベント会場に入ると、
「鬼瓦さんですか?ただいま担当の者をお呼びします」
受付の方にはすでに僕が来ることを伝えていたようだった。
イベントを担当されたお二人が事務室からイベント会場に降りてきて、1時間ほど説明を聞きながら会場をまわった。Tさんとは1カ月ぶりの再会だが、Yさんとは初対面だった。お忙しいだろうに、つきっきりで説明していただいたことに感謝した。
あっという間に1時間が経ち、中核都市に戻り、午後の用務先に向かう。午後の用務先では、9年ぶりくらいにAさんに再会する。
用務が意外と早く終わったので、同じ市内の別の施設に行くことを考えた。今まで行ったことがないところだが、用務が思いのほか早く終わった今日を逃すと、一生行けないのではないかと思い、行くことにしたのである。たしかその施設では、「前の前の職場」と「前の職場」の両方で教えた卒業生のSさんがいまも働いていたはずである。会えるとすればやはり10年ぶりくらいだろうか。
用務が終わったあと、久しぶりにAさんと立ち話をした。
「このあと、地下鉄に乗って○○という施設に行こうと思うんですよ」
と雑談のついでに言ったら、
「帰り道なんで車で送りますよ」
と言ってくれたので、お言葉に甘えて車に乗せてもらうことにした。
車中の時間は、お互いの9年分の出来事を話すには短すぎた。おそらくいろいろなことがあったのだろうけれど、それでもまあ、なんとかやってるんだなということだけはわかった。あいかわらずの調子だった(というふうに見えた)ので安心した。
施設の前で降ろしてもらい、本日3つめの建物に入る。受付で、「Sさんという方はいますか?」と尋ねたら、事務室に連絡を取ってくれて、「今すぐこちらに向かうそうです」と、言ったか言わないかのタイミングで、Sさんが駆け込んできた。
「先生、お久しぶりです!」
「突然ごめんなさい。まだここに来たことがなくってね。今日はたまたま用務が早めに終わったので、ふと思い立って来ました」
「私が出勤している日でよかったです!」
Sさんはさっそく施設内の説明をしてくれた。よどみなく説明しているのは、ふだんからいろいろな人に説明をしているからだろう。実にわかりやすい説明だった。
ちょうど仕事に行き詰まっていた時だったらしく、そのタイミングで僕が来たものだから気持ちを立て直すことができた、と言っていた。
ここでも滞在時間は1時間で、慌ただしくお別れした。
そのあとSさんから来たメールに、
「久しぶりに先生にお会いできて、とても嬉しかったです。ちょっと本気で仕事に行き詰っていたタイミングだったので、とても元気になりました」
と書いてあった。
みんな、何かを抱えて生きている。それでも、なんとかやっている。かつてと変わらない調子の会話を通して、見出したことである。
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