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想像力の起点

10月11日(水) 後半

検査の結果は、なかなか思わしくなく、さすがの僕も落ち込んだのだが、そんなときに気持ちを救ってくれるのは、やはり運転中に聴くラジオ番組である。

10月9日(月)放送分のTBSラジオ「荻上チキ Session」の7時台を、radikoのタイムフリーで聴く。

TBSラジオはこの10月から大幅な改編がおこなわれ、「荻上チキ Session」は6時から9時の3時間放送となった。

10月9日(月)は、メインパーソナリティの荻上チキ氏が取材のためお休みで、代打のパーソナリティは武田砂鉄氏である。

7時台の「フロントラインSession」は、日替わりコメンテーターが気になるトピックを取りあげて話す、というコーナーである。

このときの日替わりコメンテーターは、ラッパーのダース・レイダー氏。

とりあげるトピックは、「イスラエルとパレスチナの戦いの歴史を、自分史をまじえて話をする」というものだった。

10歳のときまでロンドンに住んでいたダース・レイダー氏は、その地区に多く住んでいたユダヤ人の子どもたちと仲良くなる。そこにはアラブ人の家族も住んでいて、ほどなくしてアラブ人の子どもとも友だちになる。みんな国籍とか民族とかに関係なく遊んでいた。

ところがあるとき、ユダヤ人の子どもとアラブ人の子どもが激しいケンカを始める。ダース・レイダー少年には、二人がなぜケンカを始めたのかわからない。そのうちアラブ人の子どもは遊びに参加しなくなり、やがて家族ともども引っ越してしまった。

どういうことなんだろう?ほどなくしてダース・レイダー少年は知ることになる。イスラエルとパレスチナの戦争のことを。

それ以来、その戦争が起こるたびに、ダース・レイダー氏は、あのときのユダヤ人の友だちとアラブ人の友だちの顔を思い出す、という。

戦争を知るって、どういうことだろう?

情勢分析をしたり犠牲者の数を把握したりして知識を増やすことが、戦争を知ることになるのだろうか?

ダース・レイダー氏の場合、あのころの友だちの顔を思い出すことが、「戦争への想像力」の起点となった。

世論の空気になんとなくなびかされそうになったときに、そうした自分なりの想像力の起点、というか、トリガーというものを持っておくことが大事なのではないか。

…という話を聞いて、前に読んだ『あのころはフリードリヒがいた』をなんとなく思い出した。

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