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ありがとう「国際会議」

10月24日(火)

ある業界の一線で活躍されていた、年配の業界人の方が、

「韓国ソウルで○○に関する初の国際会議が開催され、日本の発表者として招聘されました」

とSNSに投稿したところ、

「素晴らしい!韓国でも普通に日本人が発表できる時代になったんですね」

とか、

「凄いことですね!我が国と隣国が交流できるんですね。平和の大切さを感じました」

というコメントが寄せられていて、いつの時代の話だよ!と思わず笑ってしまった。

一定の年齢層の方々にとっては、そういう感覚なのだろう。

そんなこと言ったら、俺なんか、この20年間で何十回も韓国側主催の「国際会議」と銘打った集まりで喋っているぞ!今年度だけでも2回呼ばれているのだ。

…と、ここで思い出した。来月11月10日(金)に、韓国側主催の「国際会議」にオンライン参加してプレゼンテーションをすることになっていた。

一昨日に某国側が主催した国際会議に気をとられて、すっかり忘れていた。

というか、先月末くらいまで、いろいろな原稿がたまっていたせいもあり、かなり無理をしていくつかの原稿を提出した。その中には先日の某国側主催の国際会議の原稿ももちろん含まれている。それらを提出したら、一気に気が抜けてしまい、今月は原稿が進まない。

11月10日(金)の韓国側主催の国際会議は、先日の某国側主催の国際会議とはまったく異なるテーマなので、一からまたプレゼン資料を作らなければならない。

チマチマと少しずつ作ってはいたのだが、はて、締切はいつだったろう?と、あらためて依頼のメールを確認したら、

「韓国語に翻訳する都合上、10月20日までに提出してください」

とあり、青ざめた。いまは10月23日である。昨日の某国側主催の国際会議が終わってほっとしたのもつかの間、また原稿を提出しなければならない。まずは遅れていることをお詫びしようと、先方にメールを書いた。

「原稿が遅れて申し訳ありません。今週中には提出します」

すると、

「ご丁寧に知らせてくれてありがとうございます」

と返信が来た。

で、昨日今日でなんとか形を整えて、プレゼン資料一式(Word原稿、PPTファイル)をメールで先方に提出した。相手が受け取ったかどうかはまだわからない。

…と、いったん落ち着いてみて気づいた。

11月10日の国際会議のテーマって、そもそも何だっけ?

先方からは、「先生が担当されたこの前のイベントに関わるお話でもいいですし、そのほかのお話でもいいですし、内容は何でもよいです」

とだけ言われていたのだ。

何を話してもよい、という国際会議って、どういうことだ?

先方は、僕が3月~5月にかけておこなったイベントを韓国からわざわざご覧にいらして、感動したので僕に声をかけたのだと思ったので、ひとまず、この前のイベントのことを中心に話すことにしたが、それでよいのだろうか?

そもそも、国際会議のテーマもわからないし、その国際会議には何人の人が、あるいは何カ国の人が、どんな内容のプレゼンテーションをするのかもわからないし、何日間にわたっておこなわれるのかもわからない。とにかく何にもわからないのだ。

先日の某国側主催の国際会議とまったく同じ状況である。ひとつだけわかっているのは、11月10日の16:00~16:30が、僕の与えられた時間、ということだけである。

まるでお笑い芸人の営業みたいなものである。場所と時間だけ知らされて、「そこで30分の時間がありますから、何か面白いことをしてください」と言われているようなものだ。ほかにどんな芸人が出るのか、その芸人が何をやるのかもわからない。

もうね、こういう依頼のされ方には、すっかり慣れてしまった。こうした依頼に唯々諾々と従ってしまう自分には笑ってしまう。僕のいまの芸風はこういう不可解な「営業依頼」によって培われたものであるといっても過言ではない。ありがとう「国際会議」。

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