ほんとにオーディオブックになっちゃった!
以前僕が書いた本が、オーディオブックになった。
かつての担当編集者から、「先生の本をオーディオブックにしたいと考えております」とメールをもらったのは昨年(2022年)9月のことだった。その本は内容に自信があったものの、まったく売れなかったので、あまりよい思い出はないのだが、この期に及んでオーディオブックにするというのは、どういうつもりなのか、よくわからなかった。
それに、僕の書いた本の内容は、およそオーディオブック向きではない。音声だけでは伝わらないところが多いのではないかと不審に思ったのである。
気になって調べてみると、その出版社は「すべての人に本を」というキャッチフレーズで「音声Project」を始動し、なんと2年で1000作品をオーディオブックとして制作し、配信するという目標を立てたようなのである。
つまり、僕の本は少しでもその目標数に近づくための1冊に入れてもらったと、こういうわけである。その試み自体は大賛成なので、僕にはまったく異論がなかった。
直ちに承諾したが、それから半年ほど経った今年(2023年)の3月初頭に担当編集者からメールが来て、読み方のわからないところをチェックしてほしいと、エクセルに入力されたチェックリスト一覧が送られてきた。僕はちょうどそのとき、職場のイベントの準備が忙しく、まさに開幕数日前という状況だったので、とてもその件に関わっている時間はなかった。しかも締切は1週間後というではないか。しかし放っておく訳にはいかないし、誤った読み方のまま配信されてしまっては沽券に関わるので、チェックリストに載っている言葉の一つ一つについての対応策についてエクセルに記入し、返信した。これが判断に迷うところも意外に多くて、それなりに面倒な作業だった。
で、それから半年ほど経った9月末くらいに、どうやらオーディオブックとして配信されたらしい、ということを、たまたま何かのSNSで知った、というか、担当編集者は配信したことを教えてくれないのかよ!
著者である僕に、その音源をくれるなんてことはないのかな?と少し待ってみたが、そんな様子もない。つまり、自分の本のオーディオブックを聴きたい場合は、AmazonAudibleに登録しろということらしいのである。その代わり、登録している人はタダで読めるのだと。
で、待っていてもいっこうに音源が提供されないから、AmazonAudibleに登録することにした。実は愛聴している文化放送「SAYONARAシティボーイズ Part2」も、AmazonAudibleが提供している番組なので、登録すればついでにシティボーイズのラジオもAmazonAudibleで聴くことができる、というか、そっちの方が主たる目的である。
自分の書いた文章を音声で聴くというのは、ひどく恥ずかしい行為だが、意を決して、「どんな感じになっているんだろう?」と聴いてみることにした。
そしたらあーた、全部聴き終わるまで8時間もかかるというじゃあ~りませんか!そんなに内容の長い本を書いた覚えはないのに、あんな本でも8時間かかるんだな。
で、聴き始めると、これが自慢じゃないが、めっぽうわかりやすい!俺ってこんな文章書いていたっけ?と新鮮な気持ちで聴いてしまった。
ただ、あいかわらず僕の文章はクドい。わかりにくい内容を一つ一つ解きほぐすものだから、どうしてもクドくなってしまうのである。
それに、チェックリストに載っていなかった箇所で、漢字の読み間違いがけっこうあったりして、「全文にわたってチェックしたかったなあ」と悔やまれた。なかなかマニアックな言葉が多かったので仕方がないのだが。
エピソードの1つめを聴いただけで疲れてしまった。このあと、どんだけ続くんだろうと思うと先はまだ長いが、最後まで聴かなければならない。
しかし聴いていて思ったのは、俺の文章って、実はオーディオブック向きじゃね?ということだった。ま、これは完全に自慢なのだが、これからはどんな文章も、オーディオブックになることを意識して書くようにしよう。
なんてったって、「SAYONARAシティボーイズ Part2」と一緒に、AmazonAudibleで聴くことができるんだからね。それがいちばんの自慢だ。
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