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細かすぎて伝わらない国際会議

10月22日(日)

某国の国際会議・2日目

この国際会議は、昨日の午前に開幕式がおこなわれ、昨日の午後と、今日の午前が分科会、そして、お昼前に30分ほどの閉幕式がおこなわれる、というスケジュールである。

分科会では、一人あたり40分(通訳含む)の時間が与えられてプレゼンテーションをおこなう。スケジュール表を見て驚いたのだが、予定がびっちりと詰まっていて、プレゼンが40分を少しでも超えようものなら、その後の予定にかなりの影響を及ぼすことになる。分科会は3つに分かれているので、3つの分科会は、足並みを揃えなければいけないのだ。

昨日午後の分科会では、たった一人でZoom参加した僕が、各人のプレゼンの内容をまったく理解できないまま終わってしまった、ということはすでに書いた。Zoomの音声がまったく不調だったのと、パワポによるプレゼンにもかかわらず、パワポの画面がまったく共有されなかったこと、さらには現地参加の人たちに配られているはずの会議資料が送られてきていないことの3つが大きな原因である。

僕はこのことを、日本側窓口の人にメールでお伝えした。はらわたは煮えくり返っていたが、そんなことはおくびにも出さず、自分の受けた仕打ちを淡々と説明した。

すると今朝早く、その人はようやく僕のメールに気がついたようで、慌てて会議資料をようやく送ってくれた。僕に送ることを失念していたらしい。Zoomについても「改善します」とメッセージがきた。

もう一つ、そのメールには驚くべきことが書かれていた。昨日、5人がプレゼンをするはずが、4人までのプレゼンが終わったところで予定の時間が来てしまい、最後の一人がプレゼンする時間がなくなってしまったので、その人のプレゼンを翌日の朝、つまり今日の朝にまわすことにしたという。

おいおい、今日の午前中は、4人分プレゼンをする時間しか確保していないんだぜ。そこに新たに一人加わるということは、40分余分に時間がかかるということである。おわりの時間が決まっているのだから、どうがんばったって、4人分の時間に5人のプレゼンを押し込めるのには無理がありすぎる。

メールには、

「そういうことになりましたので、日本時間で9時20分開始の予定でしたが、少し前倒しして9時開始に変更することになりました」

とあった。

おいおい!一人あたりのプレゼンの時間が40分なのだから、40分前倒しにするというのならわかるけれども、20分しか前倒しにしないとはどういうことだ?

時間の計算ができないのか、見通しが甘いのかの、どっちかしか考えられない。僕は他人事ながら心配になった。

さて、分科会開始時刻の15分前、すなわち8時45分に、日本側の窓口の方から連絡が来た。

「Zoomの準備が整いましたので、ご入室ください」

「わかりました」

IDとパスワードを入力して入室すると、あいかわらず音声が不調である。

僕の発言はどうやら向こうに聞こえるようなのだが、会議室の音声はほとんど僕に届いていない。昨日とまったく同じではないか!

分科会の開始時間が迫り、会議室に人が集まり始めた。もう時間がない。僕は提案した。

「私のプレゼンの時間が来たら、パワポの画面共有をしながら、こちらから一方的に話しますので逐次通訳してください。ただ、僕は通訳の方の音声がまったく聞こえないので、どのタイミングで通訳が終わったのかがわかりません。通訳の方には、恐れ入りますが、通訳が終わったたびごとに、右手を挙げて終わったことを私に伝えてください」

その約束だけをして、僕は自分の出番を待った。

朝9時から分科会が始まった。

最初のプレゼンテーター、すなわち昨日の分科会の最後にプレゼンするはずだったはずの人の話が長い。40分という約束のはずが、50分近くもかかって終わった。

(初っ端からこれかよ…)

2人目は、ほぼ与えられた時間いっぱいを使った。

賢明な読者は、おわかりになるだろうか。

2日目午前のそもそもの予定は、

9:20~10:00 1人目

10:00~10:40 2人目(すなわち僕)

10:40~10:50 休憩

10:50~11:30 3人目

11:30~12:10 4人目

12:30~13:00 閉幕式

だったのである。閉幕式が12:30開始というのは、絶対に動かせない。

ところが、現状はというと、

9:00~9:50 1人目(つまり昨日の5人目)

9:50~10:30 2人目(つまり本日の1人目)

となり、すでに予定より30分オーバーしている。つまり僕は、当初の予定より30分押しでプレゼンを始めることになった。

さっそくパワポの画面を共有し、話し始めたのだが、パワポの画面を共有することで、会議室の映像が画面の隅に小さく追いやられてしまったことに気づいた。これでは、通訳者が右手を挙げる姿が見えないではないか!

もう僕はすべてを諦め、一方的に話し始めた。ある程度までいったところで、通訳者に通訳の時間を与える。といっても、僕には通訳者の音声は聞こえないので、僕は画面隅に映った会議室の映像を目をこらして、通訳者が右手を挙げたタイミングで次の説明に入らなければいけない。

(これは、…右手を挙げたのか?どうなんだ?)

右手を動かした動作を目をこらして確認してから、次の部分を日本語で説明し、またある程度のところで、通訳に渡す。通訳が終わると、通訳者は右手を挙げる。この繰り返しである。

ほとんど視力検査のような心持ちでノートパソコンの画面を見つめ、原稿を読み、パワポのスライドを動かす。なんというマルチタスクだ!

僕のプレゼンは、与えられた40分ほぼぴったりに終わった。うまくいったのか?いかなかったのか?全然わからない。

僕がプレゼンを終えたところで、画面の隅に小さく映っている会議室では、ひとりひとりが拍手をしている様子がおぼろげに見えたけれども、音声が届かないので、よくわからない。

なんという達成感のないプレゼンテーションだ!

さて、この時点で、時間は11時10分。このあと10分の休憩を挟んで、11時20分より、4人目(つまり今日の3人目)のプレゼンが始まった。これも与えられた40分を使い切った。

午後12時。もう明らかに、最後の5人目(つまり今日の4人目)のプレゼンテーションは無理である。

どうするのかな?と思って会議室の映像を見ていたら、なんと!5人目のプレゼンテーションは打ち切って、一同は席を立ち、閉幕式会場に向かった。

おいおい!5人目のプレゼンテーションはどうなったんだ?せっかく準備してきたのだろうに、中止なのか???5人目のプレゼンテーターの行く末だけが気がかりである。

しかしそんなことはもうどうでもよい。Zoomから退室した途端、強烈な眠気が襲ってきた。

とくに何も動いていないとはいえ、ノートパソコンの画面の前で気を張り続けていたからであろう。会議が終わったら、ドッと疲れてしまったのである。

ソファーに横たわって休んでいるうちに、そのまま眠ってしまったのであった。

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