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だれも知らないKAN

KANさんといえば、「愛は勝つ」である。僕はちょうど大学生のころで、「愛は勝つ」が収められているアルバム『野球選手が夢だった』を買った覚えがある。

しかし僕の中でKANさんといえば、大林宣彦監督の映画『日本殉情伝 おかしなふたり ものぐるほしきひとびとの群』(1988年作品)で、劇伴音楽を担当していた、ということのほうが、思い出深い。しかしこの映画は、映画業界のさまざまなトラブルに巻き込まれ、ごくわずかの劇場でしか公開されることがなかったが、大林映画の集大成ともいわれている。

で、その映画の劇伴音楽を担当したのが、KANさんであった。Wikipediaから引用する。

「音楽は後に「愛は勝つ」を大ヒットさせるKANが担当。山本又一朗主宰のフィルムリンク・インターナショナルの関連会社に、当時KANが所属していたことから話が持ち込まれた。レコードデビューする以前の作曲で、KANにとってはプロとしての初仕事であった。予算がないため、全てシンセサイザーによる作曲で、録音は無料で使えたヤマハのスタジオで行った。サントラは当初発売されなかったが、大林宣彦サントラコレクションシリーズの中でCD化されている。(バップ、1998年発売)」

僕はこの映画のDVDを観て、その音楽に取り憑かれ、だれだろうと思ってクレジットを確認すると「KAN」とあった。え?KANって、あのKAN?と、最初は「愛は勝つ」の人と同じなのか別人なのかわからなかったので、それで僕はそれを確かめようと『野球選手が夢だった』を買ったのである。しかし、あの劇伴音楽の、もの悲しさをイメージするような曲は、片鱗もなかった。それでも当時、このアルバムを繰り返し聴いていた。

1998年に映画のサントラが発売になって、さっそく手に入れてこれも繰り返し聴いた。この曲は、紛れもなく心に残る名曲である。いまでも僕はKANさんの楽曲の中でこの映画の劇伴がいちばん好きである。たぶん、これはKANさんが手がけた曲ですよといわれても、ファンですら驚くに違いない。

俺は、デビュー前からKANの音楽を知っていたんだぜ。

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コメント

だれも忘れて知らないかもしれませんが、吹きだまり的にKANといえば「プロポーズ」の替え歌です。

10年の時を超えて蒸し返しますので、よい子の読者のみなさんも一緒に歌いませんか?
https://open.spotify.com/intl-ja/track/52X2NkxYSjKkxIfVLA8jpl#_=_


あの下町に 実習先の博物館があるよ
緑の芝生も野球場も 遺跡もある
天気のいい日には 勾玉を掘ろうよ
ぼくのほうが 少し速いけど
別に君を おいこしたりはしない
君の髪が 風にゆれるのを
見ながら 掘るのが好きだから だから
あまり話はしなくても きっとなんか楽しいよ
そんな風に ぼくの街においで

ある日君に悲しい出来事があっても
やっぱり遺跡に行こうよ 手をつないで
ベンチのある木陰を見つけてすわろう
久しぶりにアルトサキソフォンを吹いてあげるよ
あいかわらずへたくそだからまわりの人も犬も
耐えられずどこかに消えたら ぼくら二人きりさ
そして君の話を全部きこう まとまりはなくてもいい
ゆっくりでいいからさ ほら少しは楽になってきたろう
君の好きな歌をうたおう 平気さだれもいない
ぼくのほうがうまいけど 君のほうが声がいい
本当にそう思ってるよ

いますぐじゃなくてもいいから ちゃかさず考えて
思い切ってぼくのとこに おいで


(初出はこちら)さわやかな高原アウトレット
http://yossy-m.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-b168.html#comments

投稿: 🐢⛲🏛🎷 | 2023年11月20日 (月) 16時22分

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