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謎のインタビュー

11月24日(金)

在宅勤務で、午前中と午後のオンライン会議をこなす。合間には、1月末の国際会議の原稿作りを進めるが、なかなか進まない。

そういえば、昨日から一歩も家の外に出ていないことに気づき、午後の会議が終わった夕方に、散歩がてら近くの喫茶店に行くことにした。どうしても読んでおかなければならない本があったことも念頭にあった。

喫茶店、といっても、よくあるチェーン店の手軽なコーヒーショップである。

安価なコーヒーを買って店内の席に座って本を読み始めたのだが、隣の隣の席あたりに、女性二人がやってきて座った。イメージとしては、そうねえ、「OVER THE SUN」の世代。

ふつうに雑談でもするのかと思ったら、ふたりのうちで若干若いと思われる女性のほうが、

「さっきまで、IKKOさんにインタビューしてきたんです」

と言ったので、僕の耳はその人にロックオンされた。

「で、これ、IKKOさんから貰ったものですけれど、よかったらお持ちになりますか?」

と、もう一人の女性に小ぶりの箱を渡した。石鹸とか入浴剤とか、その類いのものと思われた。

もう一人の女性はその箱を受け取り、

「IKKOさんって、肌きれいだよねえ」

としみじみ言い、

「とても61歳には見えません」

と、そのインタビューした女性が相づちを打った。インタビューした女性のほうは、何かの雑誌の編集者だろうか?するとその女性が、

「では、はじめましょうか」

とスマホの音声録音をセットし、鞄からノートと筆記用具を取り出した。

(え?いまから目の前の女性のインタビューをするのか?)

僕は俄然、インタビュアーの女性の目の前にいる女性に興味を持った。有名人なのかもしれないと思ったからである。

しかしどう見ても、僕がまったく知らない人である。

芸能人なのかな?とも思ったが、いわゆる芸能人のオーラというものがまったく見られない。「OVER THE SUN」のふつうの互助会員、といった趣である。

ならば、たとえば小説家とか、ライターとか、そっち方面?そう言われれば、そんな顔立ちをしていらっしゃるようにもみえる。

その女性が語り始めると、インタビュアーの女性は「ふむふむ」とノートを取り始めた。

僕は必死になって聞き耳を立てたのだが、その女性が語っている話というのが、

「夫はああ見えて自分勝手なんですよ」

「息子が中学生になって…」

と、自分の家族の話ばかりしている。というか、ほとんどが家族に対する愚痴である。

それを「ふむふむ」と必死にノートに筆記しているインタビュアー。

このインタビュアーが直前までしていた仕事が、IKKOさんへのインタビューだとしたら、目の前の人もそれくらい有名な人に違いないとだれだって思うじゃないの!しかし目の前にいる女性は、いたってふつうの人のように見える。

いったいこのインタビューは何なのだろう?すべてが謎である。

何週間か経って、そのインタビュー記事が載っている雑誌を偶然僕が見つける、なんてことはあるだろうか?ま、ないだろうな。

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