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じじょまる

11月5日(日)

今日から妻が1週間の出張なので、5歳の娘の子守は僕がやることになっている。

平日は保育園に預けるのでどうということはないのだが、問題は休日である。四六時中、目の届く範囲で子どもを遊ばせなければならない。

今日はどこに連れていこうかとノープランだったのだが、朝9時頃、市の防災無線を通じて、住民に向けて放送が流れた。

「本日10時から○○小学校において、防災訓練をおこないます。ふるってご参加ください」

市をあげての防災訓練のようだ。しかも、防災訓練がおこなわれる小学校は、自宅から比較的近い場所にある。午前中、とくに連れていく場所もないし、娘と二人で歩いて行くことにした。

どうせつまらないのだろうな、と思いきや、さにあらず、これがなかなか楽しかった。

校庭にはいくつものテント(運動会などで使うヤツ)が並んでいて、それぞれの場所でクイズに答えたり、訓練体験をしたりするたびに、スタンプが捺される。いわばスタンプラリーのようなもので、合計12コ以上のスタンプが捺されると、防災グッズなどの景品がもらえるというしくみである。

個々の体験は面白かった。火事の時の煙がどれほど恐ろしいかを体験する「煙体験」や、震度の大きい地震を体験する「地震体験」、消火器訓練や放水訓練、消防車乗車体験など、子どもたちをなかなか飽きさせないブース(テント)が並んでいる。非常時に自動販売機の飲料水がボタンを押すだけで無料で出てくるという夢のような機械とか、果ては「炊き出し体験」と称して、防災訓練に訪れた人たちにカレーライスとミネラルウォーターがふるまわれたりする。おかげで、お昼ご飯を炊き出しで済ませることができた。「炊き出し体験」とは、「炊き出しがこんなにありがたいものだと体験する」という意味だったのだ。お昼12時までのたった2時間でこのイベントが終わってしまうのは、なんとももったいない。

それよりも僕が気になったのは、この防災訓練のマスコットキャラクターである。みうらじゅん先生言うところの「ゆるキャラ」なのだが、これれがひどく人気なようで、そのゆるキャラが近づいてくると、各ブースを担当している防災訓練のスタッフたちが気もそぞろになり、訓練参加者への対応をいったん休んで、ゆるキャラの写真を撮りに行く始末。おいおい、訓練だとはいえ、持ち場を離れていいのかよ!

…いや、僕が気になっているのはそんなことではない。そのゆるキャラの名前である。

胸のところの名札を見ると「じじょまる」とある。「じじょまる」って漢字に直すとどうなるのだろう?まさか、「自助丸」?

インターネットで検索してみると、簡単に答えがわかった。やはり「自助丸」である。名前の由来を、公式ホームページでは次のように説明している。

「防災において最も重要な「自助」(自分で自分の身を守る)からじじょまると名付けられた」

僕はこの「自助」という言葉があまり得意ではない。コロナ禍の時に首相だった人が、

「自助、共助、公助、そして絆」

という言葉を何度か口にしており、自助を冒頭に持ってくると言うのは、自己責任論を声高に叫ぶ温床になるのではないかと懸念したものである。

だがよく調べてみると、この「じじょまる」の誕生日は、公式ホームページでは、「2015年10月に突如現れた!」とあるから、コロナ禍よりも前にすでにこの名前が決まっていたということである。

僕はコロナ禍になって「自助」という言葉が生まれたのだろうとてっきり思っていたのだが、そうではなく、それ以前から防災界隈では「自助」という言葉がふつうに使われていたらしい。

それにしても、コロナ禍で「自助」という言葉がいささかマイナスイメージを持ってしまったことは否めない気がする。要は、「だれが言うのか」という問題に尽きるのだろう。

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