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立場、って何だろう

先日、ある会合に出席したときに、

「○○さん、△△という立場からコメントをお願いします」

と、4人くらいの人に対して、それぞれの「立場」からのコメントを求めていて、ちょっと違和感を覚えた。

「立場」というのは「属性」という言葉でも置き換えることができて、つまりそのような依頼をするということは、その人をそういう属性の人だと分類している、ということである。

しかし、その人にとってみれば、その「立場」は自分自身の中の一部であって、すべてではない。しかも、その「立場」の人たちを代表しているわけでもないのである。

いまの首相が、大臣に女性を起用したことについて「女性ならではの感性で…」と発言して炎上した。男性に対しては「男性ならではの」という言い方は決してしない。

少し前のテレビのワイドショー番組などでも、司会者が女性のコメンテーターに、「女性の立場としてはどう思いますか」という質問をよく投げかけていた。いまでもそんな質問をしたりしているのだろうか。

男性は「個人」として尊重され、女性はその属性ばかりが強調され、個人が埋没してしまう。

「○○の立場から発言する」というのは、まるで自分がその立場の代表者であるが如く発言する、という意味であり、これは単に男女の問題だけにはとどまらない。ありとあらゆる局面で、個人を埋没させる魔法の言葉なのである。

自分もうっかりと「○○の立場としてはいかがですか」と言ってしまいそうだ。そのように言えば、どんな人物も簡単にあるジャンルに落とし込むことができるからである。これを防ぐためにはまず自分自身が、特定の立場には安住しないと意識することが大事なのかもしれない。

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