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焼け石に水

12月29日(金)

昨日は仕事納めで、今日から年末年始の休暇である。

まず午前中に、5歳の娘との約束で、映画「パウ・パトロールザ・マイティ・ムービー」を観に行った。娘はテレビのレギュラー放送を見ているので、先日の「窓ぎわのトットちゃん」よりも当然、こちらの方が見たかったはずだ。約束というのは、あとで必ず「パウ・パトロールザ・マイティ・ムービー」を観るから、まずは「窓ぎわのトットちゃん」を観ようね、ということだった。

なかなかよくできた映画で、子どもたちが熱を上げるというのもよくわかる。子どもはやはり、勧善懲悪、正義のヒーローが出る物語が好きなのだろうか。

この日は、というよりも、この日からどうしてもやらないといけないことがあった。それは部屋の片付けである。狭いマンションに住んでいるのに、とんでもない本の量がある。本についてはあるていど図書館に寄付するとか本のリサイクルショップに売るとかで少しでも減らすための方針があるのだが、問題は大量の紙ゴミである。職業的文章を書くために調べたさまざまな紙の資料が大量にあって、足の踏み場もない。さすがにこれはまずいと思って、紙ゴミの廃棄をはじめた。紙ゴミは捨てるときに紐でしばるか、紙袋に入れるかのどちらかの形でマンションのゴミ集積場に捨てることができる。僕は紐でしばるのが苦手だし、何より薬の副作用で手がちぎれるほど痛いので、大量の紙袋を確保して紙ゴミを捨てていくことにした。

何も選ばずに片っ端から全部捨てれば楽なのだが、なかなかそういうわけにもいかない。ひとつひとつ吟味して、これはいる、これはいらない、と選別し、いらないものは紙袋に放り込む。これがけっこう時間がかかる。

長い時間を使って紙ゴミをだいぶ捨てることになったのだが、それで部屋がスッキリしたかというと、全然そうはならず、見た目はビフォーもアフターもほとんど変わりがない。つまり大雨で腰まで浸かってしまった水を小さな柄杓で掻き出しているようなものである。まさに「焼け石に水」とはこのことである。

明日もまたできるだけ紙ゴミの処分に時間を使うことにする。どうせ面白いテレビがあるわけでもないのだし。

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