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格言カレンダー

元旦

妻の実家に行くと、義理の母が、はちみつ屋から毎年送られてくるカレンダーが圧が強すぎて家の中では貼れないと言っていたので、どんなカレンダーか見せてもらったところ、長細くて大きな大福帳のような形のもので、1枚目に「格言集」と書いてあった。長細い短冊状の紙に、1日ごとに大きな筆文字で格言が書いてある。メインはカレンダーではなく、格言である。

日めくり式のカレンダーなのだが、ふつう、日めくり式のカレンダーというと365枚あって、1日ごとにめくっていくスタイルのものだと思うのだが、この日めくり式のカレンダーは、「1日」~「31日」までの31日分しかない。月が変わるときには、もういちど「1日」からめくっていくという、なんともSDGsなカレンダーなのである。したがって格言は31種類ある。

ひととおり見てみると、たしかにこれは貼りたくない。

「教えられてうなずくだけでは忘れ易い。それを実行すれば自分ものになる」

「求め合う愛情には不足が生まれ与え合う愛情の中に幸せが生まれる」

「作物は自然の中に育つもの。成功は苦労によって育つもの」

「小さなつまらない事に心を使えば大きなものがつかめない」

「ほほえみの心で人に接してこそ人々を明るくし人生を豊かにする」

「私心なく人の声に耳を傾ける心あれば人々から崇められ伸びる人である」

「肩をはる生き方は疲れるが心にゆとりを貯える事が必要である」

「失敗の時の対処の仕方で人格の値打ちを測り知る事ができる」

「どの様な境遇でも希望と感謝の心があれば必ず道が展ける」

「現在の境遇は皆過去にまいた種が芽生えたものである」

最初の10日分をあげてみたが、どれ1つとっても、心に響く言葉ではない。これらの言葉が、大きめの筆文字で書かれているのだから、なおさら家の中に貼るのが躊躇される(これで心が動かされる人がいたらごめんなさい)。

昨年、一昨年のカレンダーも捨てずにとってあるというので見せてもらったところ、驚愕の事実が判明した。毎年同じ格言が並んでいるのかと思ったら、1年ごとに格言をすべて変えているのである。

たとえば2024年の1日、つまり最初の格言には、

「教えられてうなずくだけでは忘れ易い。それを実行すれば自分ものになる」

とあるが、2023年の同じ日の格言には、

「感謝の心が笑顔を造り笑顔こそ人の心を和らげる」

とあり、2022年の同じ日の格言には、

「日々の勤労の積み重ねが大きな仕事の基となる」

とある。つまり1つとして同じ格言はないのだ。

3年分、各31日分の格言を調べてみたが、やはり1つとして同じ格言は存在しなかった。つまり毎年、31の格言を考えてカレンダーにしているということである。しかしこれだけの数の「心に響かない格言」を考え出すというのも、それはそれで1つの才能である。なかには「くるった物差を持つ人程すぐ人を計りたがる」という意味不明な格言もあり、格言を作る苦労がしのばれた。

はちみつ屋のオヤジ、すげーなと思っていたら、どうやらこれは、この格言を考えるカレンダー業者がいて、そこに店名を入れたりしてカレンダーを作る商売をしているところがあるようだ。つまりはちみつ屋のオリジナル格言ではないようである。

そこで1つゲームを考えたのだが。

2人が対戦するゲームで、1人が格言を考える。で、もう1人は「NGワード」を2つか3つくらい考えてあらかじめ書いておく。もちろんそのNGワードは対戦相手には見せない。

そのNGワードというのは、「感謝」とか「努力」とか「成功」とか、いかにも格言に出てきそうなワードである。

考えた格言の中に、対戦相手があらかじめ設定したNGワードが含まれていたら負け、というゲームなのだが、「すごろく」や「かるた」などに続く新しいお正月のゲームとして盛り上がらないだろうか?…盛り上がらないだろうね。

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