モヤモヤが晴れる
2月24日(土)
最近、物忘れがひどい。加齢によるものなのか、何らかの副作用的なものなのか、よくわからない。
同業者集会2日目。200人以上が参加している。
20年以上前から参加しているが、若い頃はいろいろな方にこちらから挨拶に行くということが苦手だった。ベテランの参加者の方々は、当然僕のことなんか知らないから、ほとんど声をかけられることもなかった。
ところが年齢を重ねてきて、いくぶん顔が知られるようになったのか、挨拶をされる側になることが多く、ありがたいというか、面はゆい気持ちである。
物忘れがひどくなったせいか、この人誰だっけ?と思う人にはなかなか挨拶しづらい。ところが向こうから挨拶をされるととたんに思い出すから不思議である。不思議というか、あたりまえか。
そんなふうだから、僕自身、たぶん失礼極まりない人間になっているのだと思う。
会場は自由席である。2日目、空いている席に座ると、ひとつ席をあけた隣に、見たことのある女性が座っていた。
なんとなく向こうが会釈をするもんだから、こっちも会釈をする。
お顔を拝見すると、どこかでお会いしたことのあるお顔である。マスクをしているので自信がないのだが、いや、どこかで絶対お会いしているはずである。
(誰だっけなあ…。どこでお会いしたんだっけなあ…)
必死になって思い出そうとするが、全然思い出せない。
そうなると、そのことばかりが気になって、壇上でお話ししている人の内容が頭に入ってこなくなる。
(うーん、どこでお会いしたんだっけなあ…)
そんなに気になるんだったら面と向かって聞いてみたらいいじゃん!と思うかもしれないが、
「以前、どこかでお会いしましたか?」
と聞くと、古いナンパのテクニックかよ!と思われるのも恥ずかしく、こっちから聞くこともできない。
モヤモヤしたまま、2日間にわたる集会が終わった。
席を立つと、その女性が、
「ご挨拶が遅くなりました。○○委員会ではお世話になっております」
と話しかけてきた。それを聞いて一瞬にして思い出した。
ぼくは年に2,3回、その○○委員会の会議に出席しているのだが、その委員会のスタッフのお一人だったのである。
その委員会のメンバーは何人もいて、それを支えるスタッフの方も何人もいるのだが、そのスタッフの一人だったとは!
その方とは直接お話ししたことはなく、会議の時に「よろしくお願いいたします」「お疲れさまでした」ていどの挨拶しかしていない。どうりで思い出せないわけだ。
先方も、(私のことなんぞ憶えていないだろうな…)という気持ちで、僕に挨拶するのを躊躇っていたのかもしれない。でも、面識があるのに挨拶しないということにもまた躊躇いがあり、最後の最後に思い切って挨拶をしてくれたのだろう。
私は、
「どうもお世話になっております。すみません。ご挨拶をしようと思ったのですが、私から声をかけるのが躊躇われたもので…」
と訳のわからない言い訳をしたのだが、このままモヤモヤを抱えて帰ることにならなくてよかった。
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