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1年ぶりの再会

2月4日(日)

1年前に書いた記事を引用する。

「2020年の4月から、あるプロジェクトにかかわることになった。そのプロジェクトの義務は、1年に1度、2月の第1週の土日にプロジェクトの成果をみんなの前で報告すること、というものだった。だから毎年、2月の第1週の土日はそのために空けておかなければならない。

土曜日の午後に成果報告会があり、日曜日はまた別の場所で同じ内容の成果報告会を行うもので、つまりは同じ内容の成果報告を2日連続でしなければならない。土曜日はクローズドだが、日曜日は、けっこうな数のお客さんが聴きに来るという。」

というわけで、今年も2月の第1週の土日がやってきて、昨年と同様の成果報告会がおこなわれた。

今年は県庁所在地ではなく、そこから南に在来線で下った町でおこなうこともあり、あまり人は来ないのではないかと思ったが、そんなことはなかった。

今年もまた、教え子のOさんが聴きに来てくれた。県庁所在地に住んでいるOさんからしたら、この町までわざわざ聴きに来るというのはたいへんだったのではないか、と聞くと、実家がこの町なので大丈夫です、今日は両親も一緒に聴きに来ています、と聞いて、すっかり恐縮してしまった。

今年の成果報告会は、会場の設備の問題なのか、機材のトラブルが何度となく起こり、決してスムーズとは言えない進行となった。パワポの画面がうまく映し出されないと、それがストレスとなり、話し手のメンタルに大きな影響を与えてしまう。しかも時間がきっちりと決められているので、その時間までに話し終わらなければというプレッシャーにも押しつぶされる。そのせいもあり、今回の僕の成果報告はボロボロになってしまった。もっとも、そもそもの内容にも問題があったのではないかと指摘されれば、それまでなのだが。

ところで昨年、Oさんは、地元の観光PR誌に県内の世界遺産をめぐる紀行文を書いていて、その文章がとてもよかった。そのことを、前日の懇親会のスピーチの際に話題に出すと、同席していた世界遺産担当の課長が駆け寄ってきて、

「先生の教え子さんでしたか!」と驚いた様子で、「あの号はとても好評で、いいライターさんに書いてもらったなぁと嬉しく思っていました。先日東京で行われた県のイベントでその観光PR誌をを置いていたところ、すぐに全部捌けてしまったのです」と、嬉しそうに話した。そのことをOさんにも直接伝えたいと思い。この日、Oさんを世界遺産担当の課長と引き合わせた。世界遺産担当の課長は嬉しそうに、昨日と同じ話をOさんに直接語った。

最後にOさんから「今度の3月に新刊が出る予定です」という嬉しい知らせを聞いた。

「ぜひ読みます。なにしろ私は、あなたの小説のファンなのですから」と答えた。

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