とんだデジタル化社会
能登の地震については心が痛むばかりだが、マイナンバーカードを担当する大臣が、
「地震が起きたときは、マイナンバーカードを持って逃げてください」
とか、
「マイナンバーカードは財布に入れて携帯してください」
と発言したことは、実に噴飯物だった。大きな地震が起こったときに、マイナンバーカードのことを考えている余裕などないし、そもそもマイナンバーカードは携帯するものではなかったはずである。さらに電気が通っていなければ持っていても何の意味もない。
それだけならまだしも、
「カードリーダーの準備が間に合わない」
という理由で、マイナンバーカードが使えないことがわかり、避難した方々の情報はJR東日本の「Suica」を配布することで対応することになったというのは、マイナンバーカードが役に立たないことを白日の下にさらしただけであった。
すべてをデジタル化することでほんとうに世の中が便利になるのかどうかは、そろそろ本気で考えた方がよい。
昨年末から、保育園の連絡帳がデジタル化された。それまでは、小さなノートに1日1ページ、子どもの様子を書いて登園の時に提出し、保育士さんはそこに短いコメントや既読のサインを書いて降園時に家族に返す、というやりとりを続けていたが、それがスマホのアプリを使った「電子連絡帳」に変わったのである。
ノートに書いたほうがあたたかみがあるし、日記としての意味もあるので、できれば紙の形で続けてほしかったが、途中からデジタル化してしまったので、紙の連絡帳との断絶が起こってしまった。
しかも今朝、電子連絡帳を起動して入力しようとすると、「すべて削除された可能性があります」という表示が出て、どうがんばっても入力・送信ができない。自分がアプリをヘンなふうに操作してしまったのだろうかと焦ったが、登園して聞いてみると、ほかの保護者からも、「電子連絡帳が送信できない」という連絡が何人も来ているという。といって、すべての保護者からというわけではなく、無事に送信できる保護者もいるという。つまり、システムの不具合が生じたのだが、その原因はよくわからないである。
といって、保育園から解決策を示されるわけでもなく、いまもって、僕のスマホに入っているアプリからは入力・送信ができない状態が続いている。
とんだデジタル化社会だ。
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