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悲しきタコ公園

4月21日(日)

1週間前の日曜、「劇場版名探偵コナン」を観終わったあとに、近くの公園で娘を遊ばせた。タコの形をしたすべり台があるので「タコ公園」と呼んでいた。

娘はそこで、学年が少し上の女の子から友だちになってくださいと言われた。お互い一人で遊んでいる者同士、心を通わせたのであろう。その女の子は、「来週の日曜日の3時にまたここに来るから、またここで会おうね」と娘に提案し、娘もそれを約束してしまった。娘は僕に、その女の子との約束を守るために「来週の日曜日もタコ公園に行きたい」と言った。

…というのが、前回までの話。

僕は困ってしまった。この日は17時から19時頃まで、オンライン会議がある。「タコ公園」は自宅から車で20分ほどの距離があり、けっこう遠いのだ。それに立体駐車場の出し入れを考えると、タコ公園を16時に出なければオンライン会議に間に合わない。

できれば娘がこのことを忘れてほしいと願ったり、当日雨が降ればいいのにと願ったりしたのだが、僕の願いは無駄だった。娘は1週間経ってもそのことを覚えていて、「タコ公園に行こう」と駄々をこね始めた。雨の予報もハズレてしまった。

僕は、16時になったらおうちに帰るよと娘に言い聞かせ、約束の15時に間に合うように車でタコ公園に向かった。タコ公園には約束の時間よりも30分ほど早い14時半に到着した。

集団で鬼ごっこをしている子どもたちもいる。その中で、娘はたった一人、タコの滑り台と格闘していた。

約束の時間の15時になったが、お友だちはあらわれない。それはそうだろう。言った本人が忘れてしまっているかもしれないし、保護者の事情でその時間に公園に連れて行けなくなったという可能性もある。

それでも娘は、そのお友だちを待ち続けた。タコの滑り台で遊びながら、ベンチに座っている僕のところに時折やって来て、「まだ来ない。いま何時?」と頻りに言う。

結局、お友だちは来なかった。

娘は残念がっていたが、どこか解放されたような表情も垣間見られた。「来週の3時に待ってるからね」と言われたら、その約束を破るわけにはいかない、という律儀な性格が、娘にとっては実は重荷になっていたのかもしれない。女の子が来ないことで、その重圧から解放されて気持ちが楽になったのではないだろうか。帰りの車の中ではすっかり眠ってしまっていた。

娘を同じマンションに住む義妹親子のところに預け、僕はオンライン会議に間に合った。

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