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灼熱のオーバーツーリズム

8月6日(火)

前日の5日、午前中に職場でちょっとした作業と重たい打合せがあり、午後は職場を出て東京駅に向かい、新幹線に乗って西に向かう。明日の朝から用務先で作業があるためである。

ふだん通勤に車を使っているせいか、電車通勤だとこまごまとした移動が多く、汗は噴き出るし足は痛い。とくに職場を出て東京駅に向かうまで、思いのほか屋外での歩きの移動があるので汗だくである。それでもなんとかその日の夕方に用務地のホテルに到着した。

翌朝、ホテルを出るとすでに暑い。ホテルの目の前のバス停からバスに乗り、5分ほどで用務先の最寄りのバス停に着いたのだが、そこからまた5~6分炎天下の中を歩いて用務先に着いた頃には、汗だくになっていた。毎年この時期に通っているが、午前9時前だというのにこれほどと暑い年があっただろうか。

用務先の作業では汗は禁物なのだが、幸いなことに作業開始までには若干の時間的猶予があり、その間にクールダウンとなった。しかし作業が開始されると、白衣を着てマスクをしなければならないので、ふたたび汗が噴き出した。まったく、作業をしに来ているのか汗を拭きに来ているのかよくわからない。

それでも作業は順調に進み、思いのほか早く終了した。せっかくなので僕は用務先の近くにある大きな施設で行われるイベントを見に行くことにした。この暑さだったら、ふだんの僕だったら絶対に寄り道はしたくないのだが、そのイベントでは、僕が昨年手がけたイベントでお借りした作品にふたたび会えるというので、ぜひとも再会したいと思ったのである。

用務先を出て、炎天下の中を歩く。心が折れそうなくらいの暑さだ。有名な観光地だけあって、外国人観光客が目立つ。この国ではあまりの暑さなので不要不急の外出を控えるように言われているから、国内の観光客はむしろ外出を控えているのかもしれない。それゆえに、外国人観光客の率が相対的に高まっているのではないだろうか。イベント会場までの道中は石畳が多く、両足の裏が痛い僕にはなかなかこたえた。

イベント会場に着いて中に入ると、やはり外国人観光客が多い。会場では2種類のイベントを開催していて、子どもはもちろん、外国人観光客も楽しめる内容になっている。夏休みの子どもたちと外国人観光客の多さを見越した企画はさすがだと思った。

僕はといえば、会いたかった作品と再会し、子ども向けのイベントも十分に楽しんで、施設を出た。出た途端、再びの灼熱地獄である。近くにある最寄りのバス停まで歩くだけでも心が折れそうだ。

バス停に着くと外国人観光客が列をなして並んでいた。やはり9割方がそうだ。ほどなくしてバスが来て、あっという間にバスは一杯になり、駅に向かって動き出した。

外国人観光客もこの暑さを予想していただろうか。帰国したあと、

「日本は暑くてまいったね。やはりうちがいちばんいいよ」

とかなんとか言ってたりして。

東京に戻った頃には両足の裏が痛すぎて前に進めないほどだった。

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