献本
8月20日(火)
ええ、相変わらず薬の副作用に苦しんでますよ。それが何か?
先週は1週間休暇を取り、昨日の月曜日は公休日だったので(オンライン会議はあったが)、今日はお盆休み明け最初の出勤日である。
午前中に、短い時間だったがオンライン打合せがあり、それがわりと組織の偉い人と1対1の打合せだったので、どのように交渉を進めるか、僕なりに気苦労した。相手に言質を取られてしまってはこっちの組織に不利益なことになるし、お互い腹の探り合いといった感じの打合せになった。時間じたいは短かったが、初めての相手だったこともあり思いのほか疲労した。
職場に本が届いていた。今年の1月に書いた短い原稿が載った本である。一般向けと銘打っているが、内容を読むと執筆者全員の原稿がやたらと難しい。いちおう「です」「ます」体になっているのだが、「です」「ます」の上に来る文章がそもそも難しいので、「です」「ます」と書いたところで平易な文章になるわけではない。
そんな中にあって僕の文章は、自分で言うのもヘンなハナシなのだが、わりとわかりやすく書いたつもりで、文章構成も工夫を凝らしたので、近年にない自信作に仕上がった(と思う)。刊行前からその自覚があったので、同業者以外でお世話になっている知り合いに献本することにした。
自分の単著についてはもちろん献本というのが欠かせないのだが、たんに短い文章を載せただけの本というのは、いままであまり献本したことがない。新書ならまだしも、1冊あたりの単価の高い単行本であればなおさらである。たった十数ページだけ書いた文章が載った、その他大勢の一人にすぎない僕が、まるまる1冊を知り合いに献本するなどというのは、どう考えてもコスパが悪い。しかしまあ、同業者以外の知り合いだったら俺の文章のことはわかってくれるに違いないと思い、送ることにしたのである。
吟味したつもりでも、献本先は10名ちょっとになった。もちろん住所のわかる人たちばかりである。
で、今日、職場に著者献呈本が届いた。同時に、出版社からの封書も届いた。
その封書には、請求書が入っていて、僕が献本した10冊ちょっとの八掛けの値段が書かれた郵便振替用紙が入っていた。
金額を見て、
「……」
後先考えずに献本リストをつくってしまったことを反省した。
この本は原稿料がないので、完全な赤字である。
まあでも、何がきっかけでどう転ぶかわからないから、投資と考えよう。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- この世はすべてが背理(2025.10.24)
- 司馬遼太郎派、ではない(2025.10.22)
- 推しが強い(2025.10.05)
- 質問攻め(2025.10.04)
- 本が増えていく病室(2025.09.28)


コメント