1対1の講義
8月2日(金)
車通勤ではなく電車通勤にしたのは、夕方から暑気払いがあるためである。といっても暑気払いでお酒を飲むから、というわけではなく、暑気払いを行うお店が、職場から特急電車で30分ほどの比較的大きな町の駅にあるからである。私鉄とJRの乗換が便利な交通の要衝なので、駅前はちょっとした繁華街となっている。その駅の近くに車を停めるというのは至難の業なので、泣く泣く電車通勤にしたのである。
その暑気払いはあるチームによるものなのだが、僕は形ばかりそのチームに参加していたので、それほどふだんから馴染みがあるわけではない。それに僕はそもそも大勢で宴会をする場にいることがとても苦手なのだ。
にもかかわらずその暑気払いに呼ばれて参加することにしたのは、僕が「お財布」としての役割を期待されていたからである。そのチームは、若い人やアルバイトの人が多かったので、その労をねぎらうために、年長者が多めに支払うことは暗黙の了解事項だった。ここで僕が、
「疲れているので参加できません」
とか、
「大勢で飲むのが苦手なので参加できません」
と言ってしまうと、
「なんだ、あいつ、ケチってるな」
と言われかねない、という被害妄想に囚われるので、「俺は財布だ」と割り切って参加することにしたのである。
…まあ、そんなことはどうでもいい。
今日は午後から職場で講義があった。3日間、集中講義があるのだが、6人が分担して2時間ずつの講義を受け持つ。僕は最終日の午後、つまり6人目の講師というわけである。
受講生はというと、他県からわざわざ新幹線でやってきた、大学を卒業したばかりの若者が1人。つまりたった1人に対して、6名がよってたかって講義をするというわけだ。同じ講義が2年前にも行われたが、そのときは7~8名はいたと記憶する。今年度はなぜか1人なのだが、受講生が1人でもいる限りは開講しなければならない。
午後の2時間を使ってお話をすることが僕の使命だったのだけれど、聴いている若者が、畑違いの分野であるにもかかわらず思いのほか熱心で、途中で適宜質問をしてくれたりするので、こっちもつい熱が入ってしまう。あっという間に2時間が経ってしまったが、予定していた内容が全然終わらない。
「ああ、もう時間になってしまいましたね」
というとその若者は、
「この講義のあとは何もありませんし、延長していただいても大丈夫です」
と言ってくれた。
じゃあ、っていうんで、そのあと、当初から予定していたプログラムを予定通り進めたところ、1時間延長して、結局3時間も休みなしで講義をしてしまった。若者も飽きることなく聴いてくれた、と思う。というか、準備した内容が2時間で終わると思っていたわけ~?最初から話すことを絞れよ!というハナシでR。
しかし3時間も講義するとさすがにヘトヘトで、そのあとは何もする気が起こらず、約束の時間に間に合うように暑気払いの会場に向かった。
同じ3時間でも、会議だとストレスがたまる一方だが、講義だとむしろストレスが発散される気がする。
今週はストレスがたまることばかりだったが、1週間の締めとしては満足のいくものだった。
本当は明日からの土日も仕事の予定が入っているのだが、子守を理由に休ませてもらうことにした(これは本当)。そうしないと来週を乗り越えられない。
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