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アイス論

9月12日(木)

TBSラジオ「東京ポッド許可局」の「アイス論」が面白かった。

この番組は、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオの3人の芸人がおじさんトークをくり広げるのだが、冒頭は毎回「○○論」と題して、なんとなく一つのテーマを決めて、あーでもないこーでもないと雑談をする。

アラフィフのおじさん3人が、「何のアイスが好き?」とか、「どんなときにアイスを食べるの?」など、「アイス」について真剣に語り合っている様子は、それだけで微笑ましい。とくにマキタスポーツさんは、テーマが「食」に関係するものになると、途端にヒートアップする。

たとえば、こんな発言。

「世の中でいちばんうまい食べ物ってアイスだと思うんですよ。

アイスって、学習が必要ないじゃないですか。いきなり美味いんですよ。たとえばミョウガは経験と学習が必要でしょう?

子どもにソフトクリーム食べさせると、脳みそがのっとられているんだよ。完全に操縦桿にぎられてるんですよ。

口があやされている感じになっているんですよ。

アイスほど口をあやしてくれるものはないと思うんですよ」

と力説する。「世の中でいちばん美味い食べ物はアイスだ」という発言はあまりにも極論だが、なんとなくそうなのかなあという気になって聴いてしまう。「アイスは口をあやしてくれる」という表現は詩的だ。

ところがほかの2人に、

「マキタさん、それ10年ほど前にも同じこと言ってましたよ」

「同じ語り口でしたよ」

と突っ込まれる。10年ほど前の回でも「アイス論」というテーマで雑談をして、そのときも同じことを言っていたらしい。つまりブレていないのである。というか、すっかり忘れて同じことを言っている。僕も彼らと同世代のおじさんなので、以前に言ったことを忘れて同じことをくり返し言ってしまうのは、よくわかる。つまりこの番組は、おじさんを相対化する番組として聴くと楽しめるのだ。

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