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いっぽんでもニンジン

9月3日(火)

小1の娘が、小学校で「いろいろな物の数え方」について習っているようである。本だと「1冊2冊」とか、鉛筆だと「1本2本」だとか、そういう単位について学んでいるというのである。

「じゃあ、この歌で覚えればいいよ」

と僕が提案したのは、大昔、「ひらけ!ポンキッキ」という子ども向け番組で流れていた「いっぽんでもニンジン」という歌である。

若い人はまったくわからないと思うが、僕が小学校低学年の頃は、猫も杓子もこの歌が歌えたのである。

このあたりについて、もう少し詳しく説明すると、「ひらけ!ポンキッキ」から生まれた子門真人さんが歌う「およげ!たいやきくん」が空前のヒットとなった。シングルレコードはある時期まではオリコン史上最大の売り上げ作品であった。そしてそのB面が、なぎら健壱さんの歌う「いっぽんでもニンジン」なのである。

史上最大の売り上げを誇りながら、歌手に支払われるのは「印税」ではなく、「契約金」だったので、いくら売れても印税が入ってくるわけではなかった、と聞いたことがある。

とにかく僕は、この二つの歌が自分の中にしみついていて、今でも諳んじて歌えるほどである。

ここ数日、お風呂で一緒に歌ったり、お風呂からあがってからはYouTubeで歌の動画を見せたりしたら、娘はすっかり「いっぽんでもニンジン」と「およげ!たいやきくん」が好きになったみたいで、「およげ!たいやきくん」の方は難しくて覚えられないようだが、「いっぽんでもニンジン」の方は、くり返し歌っていくうちに覚えたようである。

「『いっぽんでもニンジン』の歌を、学校のみんなに教えてあげなよ」

と言ったのだが、その翌日、

「どうだった?」

と聞くと、

「お友だちのみんなは興味なかったみたい」

と答えた。それでもめげずに娘は「いっぽんでもニンジン」を歌い続けている。

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