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ブルシットジョブ

9月17日(火)

月の第三火曜日はもっとも疲弊する日である。

とりわけ今日の会議は長かった。議題が多ければ多いほどコンパクトにまとめたいと思うのが人情だが、実際はその逆で、議題が多ければ多いほど質問や意見が「出がち」っというのは、何の法則っていうの?

僕は大勢が集まる会議でなるべく発言しないようにしているのだが、ある案件は、さすがに僕も意見が言いたくなった。

毎回大変な思いをしながら実施しているあるサービスについて、これまでの実績が会議資料にあがっていたのだが、その実績を見たらびっくりするくらい成果が上がっていない。サービスを享受する人が、ほぼ毎回1人くらいしかいないのだ。

そのサービスは5年ほど前から始まったと記憶している。僕はその当時から、そのサービスには引っかかるところがあったのだが、そのサービスを実現したいという人の熱意が強く、無碍に批判できない雰囲気だった。それがここへきて、利用実績を調べてみたら、「え?これしかいないの?」と僕はびっくりしたのである。

これって何かに似ているなあと思ったら、「マイナ保険証」と同じではないかという気がしてきた。マイナ保険証も、膨大なコストと労力を使ってシステムを構築しても、利用率は1割を超す程度ではなかったっけ?でも後には引けなくなり、そのまま突き進んでいる。

僕は、

「膨大なエネルギーをかけているにもかかわらず、利用実績が毎回1人くらいしかいないというのは、コストに見合わないということではないでしょうか」

と発言した。暗に「このサービスをやめたらどうか」と言いたいのだが、そこまではっきりとは言わなかった。

すると、「たしかにそうですが…」と言いつつも、やはりこのサービスをやめてしまうことへの抵抗がある人がけっこういて、やっぱりせっかくはじめたサービスなのだから、というやんわりとした反論が出され、このサービスはなんとなく続くことになってしまった。

「顧客へのサービス」と言われてしまうと、こっちとしても何も言えなくなってしまうのだが、僕はこの些細な出来事から、あのマイナ保険証になぜ政府はこだわり続けるのかという理由が、なんとなくわかる気がしたのである。

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