遅れて届いた本
11月22日(金)
3日ほど前の全国紙の全国版に、昨年若くして亡くなったひとり出版社の社長兼編集者のパートナーの方が、亡き夫について語っているという情報を知り、さっそく取り寄せてもらい読んだ。
驚いたのは、その9日前に僕の記事が掲載されたのとまったく同じ紙面だったことだ。その偶然に僕は驚いた。
その社長とは一度仕事をしたことがあるだけだが、その後も少なからぬ交流があり、お通夜にも参列した。不思議な魅力を持つ人だった。
実は今から数ヵ月前だったか、その出版社の本をどうしても入手したくなった。問題はその入手方法である。大手通販サイトから注文すれば簡単なのだが、その出版社の本は今はパートナーの方が在庫管理をしていて、しかも出版社のサイトから直接取り寄せることができるということだったので、出版社のサイトから直接取り寄せることにした。その方が出版社に入る利益率が高いと思ったからである。
で、そのようにしたのだが、本はなかなか送られてこなかった。そのうち本を注文したことも忘れかけていたが、しばらくたってようやく送られてきた。入院の少し前のことである。
入院して落ち着いてから読むことにし、体調がよくなってから本を家から持ってきてもらったが、そこに、在庫管理しているパートナーの方が書いた一筆箋が挟まっていたことに気づいた。
そこには、発送の遅れを詫びる文言に加えて、夫の死にいまでも向き合えず、そのことで発送作業が遅れてしまったと書いてあった。
僕は在庫管理をしているパートナーの方に直接注文してしまったことをいささか後悔した。思い出させてしまったようで申し訳ないと思った。
届いた本はあの社長らしく、実に丁寧な作りになっている本だった。
そして今日僕は、パートナーの方が夫について語っている記事を感慨深く読んだ。
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