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勝つか負けるか、ホテル朝食バイキング

2月23日(日)

最近は朝食バイキングが付いているホテルに泊まることが多い。

ホテルの朝食バイキングには勝ち負けがある、とTBSラジオの「東京ポッド許可局」という番組で話題になったことがある。たしか安住紳一郎さんも自身のラジオ番組で言っていたかと思うが、記憶が定かではない。

バイキングとはおのれ自身との戦いである。美味しそうな料理に惹かれてあれもこれも皿の上にてんこ盛りで乗せたら、結局量が多すぎて朝から満腹モードになり、その日の活動にも悪い影響を与える。これは「負け」である。

もうね、カレーなんか出てきたら、すべてカレーに持ってかれてしまう。地元でしか食べられない料理がほかに並んでいたとしても、カレーには勝てない。やはりこれも「負け」である。

だからバイキングには戦略が必要なのだ。そしてどんなに誘惑されてもその戦略を揺るがしにしない勇気も必要である。

さて、昨夕、1日目の用務が終わってホテルにチェックインすると、フロントでこんなことを言われた。

「朝食はバイキング形式で、朝の6時から9時までご利用できますが、明日は団体客が早い時間にご利用になりますので、時間をずらして朝食会場においでください」

つまり朝一番に行くと団体客で混んでいるので、少し遅めに来いというのである。

翌朝。つまり今朝。

少し遅めに朝食会場に行くと、すでに団体客は食べ終わったらしく、席にかなりの余裕ができていた。まずこれは、僕にとっては「勝ち」である。

トレイの上にお皿を置いて、さぁ料理を取ろうと思ったら、なにやらいい匂いがする。

カレーではないか!僕はつい誘惑に負けてカレーに手を出してしまった。しかも「地中海カレー」って書いてあったんだぜ。ここは地中海でもないのに。

仕方がない。あとはカレーを中心に座組を考えるしかない。

カレーの横を見ると、やれヒレカツだのクリームコロッケだのフライドポテトだのと、やたらとジャンキーな料理が並んでいる。

僕はそういうジャンキーなものが嫌いではないので、誘惑に負けてひととおり手を出してしまう。これでは完全に僕の「負け」である。

それにしても不思議である。このホテルは地元の名物などよりもなぜジャンキーな料理ばかり出しているのか?

その謎が解けた。簡単なことである。

その「団体客」というのは、修学旅行の生徒たちだったのだ。

おそらく今朝のバイキングは、修学旅行の生徒たちが好きそうな料理ばかりをチョイスした特別バージョンだったのではないだろうか。そしてそのおこぼれを、あとにやってきた僕たちがいただいたのである。

「子ども舌」の僕はそれにまんまとひっかかり、必要以上にジャンキーなものばかり取ってしまったのである。

しかしそのことにより僕の食欲は復活したのだから、「負け」だとは一概には言えない。いや、同時にリバウンドの可能性も出てきたのだから、やっぱり「負け」か。バイキングって、何が正解かわからないから、ほんとうに難しい。

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