スポーツの日
10月13日(月)
若い療法士さんから必ず聞かれたのが、
「今日はなぜスポーツの日なのですか?」
という質問だった。
そのたびに、
「もともとは体育の日と言ったんですよ。しかもいまのようなハッピーマンデーではなく、10月10日に固定されていました」
しかしこれだけでは「スポーツの日」の説明になっていない。
「10月10日は、前の東京オリンピック(1964年)の開会式の日です。それを記念してその日を体育の日としました」
「へえ」
「何か気づきませんか?」
「さあ」
「むかしは季候のいい時期にオリンピックを開催していたのです。10月10日が『晴れの特異日』ということもありましたのでね。ところがいまはどうです?」
「……」
「真夏の暑い日オリンピックを開催しているでしょう?」
「たしかにそうです」
「あれは、アメリカの放映権の都合で、強制的に時期を移されたのです」
「アメリカ…ですか?」
「ええ、アメリカはオリンピックの放映権を独占しているのですけれど、ちょうど7~8月が人気のスポーツの大会がない「夏枯れ」の時期なのです。つまりテレビのスポーツコンテンツが何もない時期に、オリンピックを開催することになったのです」
「アメリカのテレビ番組の事情ですか…」
…と、ここまでが一連の流れである。これを若い療法士さんが質問をするたびに同じ会話をくり返している。それを得意げに話している僕は、とんでもない蘊蓄ジジイである。
それよりなにより、「体育の日」を知らないという世代と会話するのは難しい。
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