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オンラインサロン

ある全国紙の記者が企画するオンラインサロンに出演してほしいと依頼が来たのが今年の春だったか、初夏だったか。

その時すでに僕は体調不良で職場を休んでおり、とても出演できる状態ではなかったので、事情を説明して、代わりの人を推薦した。

代わりの人、と言ったら失礼だが、元同僚で、そのテーマに関して僕よりもはるかに適任の人である。逆になぜ最初にその人に出演依頼をしなかったのだろうと、不思議だった。

僕は、依頼者にその人を推薦した上で、ご本人にも、全国紙の記者から出演依頼が来ると思いますので前向きにご検討ください、と説明した。

最初は、出演していいものかどうか迷っておられたが、再度僕が説得し、出演を決めてくださった。

というか、出演するならその人しか考えられなかったのだ。

で、少し前に、出演したオンラインサロンが公開されたと、メールをいただいた。

その返信に、僕はこうお伝えした。

「実はいまはまた新たな病気が発症して長期入院中です」と。

それを読んで、その人は大変びっくりされていた。新たな病気を発症したことについてはもちろんだが、その人のお連れ合いもまた、15年ほど前に僕と同じような病気を患ったことがあり、復帰までに時間がかかったということを告白されたのである。つまりその人も、お連れ合いのご病気の看病というか介護というか、大変なご苦労をされていた。だから僕の病気の大変さをわかっていらしたのである。

僕は「今すぐには観られませんが、環境がととのったら絶対に観ます」と返信した。

そして今日、病室でそれを観る環境がととのったので、観ることにした。妻は先に観ていたらしく、「とてもおもしろかったよ」と言っていた。

1時間ほどのオンラインサロンだった。司会をする記者がいて、それとは別に、そのことに関して取材をした記者、そして元同僚の3人で番組は進行した。

1時間視聴して、最初から最後までおもしろかった。やはり元同僚に頼んで大正解だった、僕だったら、これほどおもしろくて論理的で深い話はとてもできなかったであろう。

番組の中では、僕の名前も出してくれていて、それも嬉しかった。

僕は、その元同僚のスピリットを受け継いでいると勝手に自負している。僕自身は無力な人間だが、もし復職できたら、なんとかその理想を実現したいという思いを強くした。

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