ななにんのさむらい
1月5日(月)
ここの病院のリハビリスタッフの多くは20代の若いスタッフであり、基本的には無教養な人間ばかりである。それを僕は非難しない。無教養なら無教養なりに、雑談したければ自分の話をすればいいだけで、僕はその雑談に話を合わせるまでのことである。
入院3か月にして、初めて僕の担当に入る若い女性リハビリスタッフがいた。一昨日のことである。僕の身体の問題点をあまりよくわかってないまま、いまになって担当するのは不安で仕方がなかったが、案の定、頓珍漢なリハビリになった。
それ以上に不愉快だったのは、僕の職業についてやたら聞かれたことである。仕方がないので答えると、自分と接点がないことに気づいたのか、突然興味を失ったようだった。
だったら最初から聞くなよ!こっちも自分の職業について聞かれるのがいちばんイヤなのだから。
一事が万事、そんな感じである。
そして今日もまたなぜかそいつが担当するリハビリの時間があった。
するとまた、僕の職業についていろいろ聞いてきた。
僕は面倒くさいので、
「一言では説明できません」
とだけ答えた。
すると次に、「趣味は何ですか?」と聞いてきやがった。
お見合いかこれは!
うっかり「読書」と答えてしまうと、無教養なスタッフにはピンとこないだろうから、
「映画を観ることですかね」
と無難に答えた。
しかし無教養なスタッフにはそれすらもよくわからなかったらしく、
「どんな映画ですか?日本の映画?それとも洋楽?」
洋楽って何だよ!
この一言で、映画にすら興味がないことがわかった。
「いままででいちばん面白かった映画は何ですか?」
出た!映画について知らない人間がとりあえず聞く質問だ!
そんなの答えられるわけないだろ!と思いながら、無難な答えを探した。
「『七人の侍』です」
「『ななにんのさむらい』ですか?」
「『しちにんのさむらい』です!」
「どんな内容の映画ですか?」
「一言では説明できません。ご両親に聞いてください」
「『ななにんのさむらい』ですね」
「『しちにんのさむらい』です!」
やれやれ。疲れた。


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