音楽

Tokyo

10月8日(金)

朝9時からストレスのたまる仕事である。たぶんこの1年半の間で最大のピンチである。

この八方塞がりな状況で、どうやって事態を丸くおさめろというのだ?と、思わず天を仰ぎ嘆息する。

今日の格言。「すべての問題は構造的問題である。すべての対立は感情的対立である」

午前はストレスのたまる仕事、午後は間違いのないように神経を使う仕事で、すっかり疲れてしまった。右膝が痛いのは、痛風の発作が出かかっているのだろう。毎日薬を飲んでいるし、ここ数年お酒もまったく飲んでいない。数年ぶりに痛み出しているのは、もう完全にストレスによるものと断じてよい。

夕方に職場を出て、車で家路へ急いだのだが、金曜日の夕方なので、首都高速が大渋滞である。

カーナビの通りに走っていると、途中で首都高速を降りろと、カーナビが指令する。

カーナビに言われるがままに走っていると、ふだんのルートとは異なるルートを指定され、あげくの果てに「銀座」の出口で降りろという指示が出た。

銀座?まったく土地勘がないところである。もちろん銀座へは何度も行ったことはあるが、地下鉄の駅を降りて歩いたことがある程度である。

銀座のど真ん中を車で走っていると、なんとなく見たことのある建物が並んでいる。金曜日の夜なので、歩道には多くの人が行き交っている。

(なかなか華やかだなあ)

こんな時に、難しい政治談義の番組を聴きながら運転するというのは、野暮というものである。今日は家に帰るまで、音楽を聴きながら帰ることにしよう。

銀座を抜けると、突然国会議事堂が見えた。国会議事堂を右によける形で車を走らせると、今度は赤坂である。右手には豊川稲荷が見える。

(TBSの放送局は、このあたりかなあ…)暗くてよくわからない。

「四谷三丁目」の地下鉄の駅も見えた。

それから青山一丁目の交差点を右折した。このあたりもまた、おしゃれな街である。

そこからどこをどう通ったか、忘れてしまったが、新宿の伊勢丹の前あたりの道を走っていた。新宿もまた、人であふれている。

銀座、赤坂、四谷、青山、新宿…。

思い出したのは、井上陽水の「Tokyo」という曲である。

「銀座へ

はとバスが走る

歌舞伎座をぬけ 並木をすりぬけ

新宿へ

地下鉄がすべる

そびえるビルに月まで隠れて

(中略)

渋谷へ

青山の路で

恋する人は口づけを交わして

(中略)

Tokyo

赤坂 浅草

まだまだ街は人を惹き付ける

街並みは夢とあこがれ

街角までが歌を奏でる」

なんと!この歌には、いま僕が通ってきた銀座、赤坂、青山、新宿が入っているではないか!

ということは、僕は今日、井上陽水の「Tokyo」を体感したのだ。

家に帰るまでの時間が、通常の2倍近くかかって疲労困憊したが、途中から井上陽水の「Tokyo」を聴きながら運転したので、少しばかり、昼間のストレスが解消された。

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作り置き

9月18日(土)

お彼岸が近いので、娘を連れて、実家の母や妹と一緒に、父のお墓参りをする。

台風の影響で、朝から大雨が降っていたので、当初はお墓参りを延期しようかとも考えたのだが、どうやら降ったりやんだりの天候になったので、雨が上がっている間に、お墓参りを済ませた。そのあとは実家に娘を連れて行く。

だいたい1ヵ月に1,2度ていど、週末に娘を連れて実家に行くことにしている。そこで日がな一日過ごすのである。

最近僕は実家に帰ると、娘の相手をしながら、その傍らで「むかしのカセットテープをパソコンに取り込む」という作業をしている。

こぶぎさんがコメントで書いてくれたように、アナログからデジタルへのダビングには実時間(1時間の番組はダビングも1時間)がかかるので、かなり気長な作業である。

カセットテープで録音したFM東京(現TOKYO FM)の「渡辺貞夫 マイディアライフ」が10本程度残っていたので、そのダビングをすべて終えた。

次に、MALTAのライブ音源が5本程度残っていたので、そのダビングも終えた。

しかしまあ、カセットテープをMP3に変換する作業は、思いのほか忍耐が必要となる。もうこれでやめようかな、と思っていたのだが、1984年の元旦から5日間にわたってNHK-FMで放送された「細野晴臣作曲講座」が第1夜から第5夜まですべて残っていたので(1回の放送時間は45分)、せっかくだからこれもダビングすることにした。

YMOが散開したのが1983年、その翌年の元旦から放送されたこの番組は、YMOロスの人たちにとっては、たぶん必聴の番組だったと思う。

「作曲講座」といっても、第1夜から第4夜までは、細野さんが若い頃にどんな音楽の影響を受け、いままでどんな音楽を手がけてきたか、といういわばヒストリーもので、いってみれば座学である。実際に作曲の実践をするのは第5夜だけである。

ただ、聴いていて興味深かったのは、他人に楽曲を提供するために、あるていどの数、曲を「作り置き」しておいて、依頼が来たときにすぐに対応できるようにしておく、というやり方を取っていた、ということを述べていたことである。

あるいは、ある歌手のために作曲したメロディーのアイデアがボツになった場合、そのメロディーを別の曲として転用することもあるそうなのである。

とくに当時、この番組を聴いていて衝撃的だったのは、第4夜で語られたエピソードである。細野さんが作曲を担当することになった中森明菜の「禁区」について、最初に出したデモテープがボツになり、そのメロディー案が後にYMOの「過激な淑女」となって生まれ変わったというのである。実際番組では、そのときにボツになったデモテープを流していたが、たしかに曲調は「過激な淑女」であった。

なるほど、たとえボツになっても、ほかの曲に転用すれば無駄がない。やはり「作り置き」は大事なのだ。

さて第5夜は、いよいよ作曲の実践編である。

この番組のパーソナリティーをつとめているのが、シンガーソングライターの遠藤京子(現・遠藤響子)さんである。遠藤さんが作詞し、細野さんが作曲をすることになり、その作曲の過程の一部始終を放送するという回だった。

遠藤さんがこの番組のために書いた歌のタイトルは「オー、ミステイク」である。

最終的に細野さんによって完成した「オー、ミステイク」は、じつにポップで耳に残る感じの曲となった。ちなみに同じ歌詞に遠藤さん自身が作曲してピアノで弾き語りするバージョンも流れたが、これはこれで耳心地がよく、同じ歌詞でも曲調によってぜんぜん違う雰囲気になるのだということが実感できた。

さて、この「オー、ミステイク」は、この番組のためだけに作られた、1夜限りの曲となってしまったが、その後も僕の中には細野さんの「オー、ミステイク」のメロディーが頭の中に残り続けた。

この放送から3年近く経ったある日、テレビで松本伊代が「月下美人」という歌を歌っているのを聴いて、僕は驚愕した。メロディーが「オー、ミステイク」そのものだったのである。

いまでこそ、このことは広く知られる事実になったが、当時僕は、中森明菜の「禁区」でボツになったメロディーがYMOの「過激な淑女」として生まれ変わったことを思い出し、

(なるほど、曲を作り置く、というのはこういうことなのか)

と、あらためてその極意を実感したのである。

さて、45分×5回、3時間45分もかかって「細野晴臣作曲講座」のダビングを終えたのだが、あとで調べてみると、誰かが動画サイトに、それもかなりの高音質で、この番組の全5回をアップしていた。

木村大作監督の映画「剣岳、点の記」のラストシーンのような心境である。

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ジャズマンはなぜ暗渠に惹かれるのか

8月28日(土)

僕の高校時代の2学年下の後輩に、ジロー君というジャズマンがいる。たまにFacebookをのぞいて、元気でやってるかなあと確認したりしている。

何年か前にいちど、ジロー君ご夫妻で僕の講演会を聴きに来てくれたことがある。僕のやっていることは、ご夫婦お二人の関心とはまるでかけ離れているので、さぞや退屈だったろうと思うのだが、彼にはそうした律儀なところがある。

昨年の秋もやはり、僕が関わった職場のイベントにわざわざ見に来てくれた。残念ながら僕はその日は子守りで出勤できなかったので、せめて招待券だけでもと、招待券2枚をお送りしたのだった。後日、彼は自身のTwitterで宣伝をしてくれた。

まあそんな感じで、いまはまったく別の道を歩んでいて、ましてやコロナ禍以降は、実際に会うような機会はないのだが、それでもFacebookで彼は近況を頻繁にあげてくれるので、会わなくとも様子がわかるのだ。

これはFacebookであげられていたからここに書いてもよいと思うのだが、先日は、痔瘻で入院したそうだ。「ジローが痔瘻」とは、なかなか洒落がきいているが、本人にとってはたいへんだったようで、痔瘻というのも僕が思っていた以上におおごとの病気なのだということを、彼のFacebookを通じて知ったのだった。

いまはすっかり回復したらしく、今日の午後から、彼の地元にあるカフェで演奏のライブ配信をすると、彼のFacebookでたまたま見かけた。YouTubeで配信するので、無料で見ることもできるのだが、できれば投げ銭もお願いしたいとのメッセージが書かれていた。

時間もあったので、そのライブ配信を見てみようと思い、他の用事も済ませながら、YouTubeで彼の演奏を見てみることにした。ジロー君がサックスとクラリネットで、あとはギターとウッドベースの3人編成である。

ライブ会場は、いつも彼が演奏している地元のカフェで、見たところ、それほど広くない。映像を見ると、常連さんらしい人が見切れていて、会場にも何人かお客さんがいるようだった。

少し遅れてライブ配信を見始めたのだが、僕を含めて7人が視聴中、とあった。

僕が驚いたのは、音楽じたいのクオリティーの高さもさることながら、映像やマイクの音質などのクオリティーの高さである。

昨年、コロナ禍でライブ演奏ができなくなったとき、ジロー君もご多分に漏れず、ライブ動画配信に挑戦することを余儀なくされた。最初の頃は、映像の解像度が粗かったり、音質がよくなかったりと、いろいろと苦心しながらライブ配信をしていたと記憶している。映像や音質のクオリティーの低さは、それだけで視聴者にとってストレスになったりする。

ところが今回、久しぶりに彼のライブ動画を見て、以前の時とはあまりに違うクオリティーの高さに、驚いたのである。おそらくこの1年半の間、いろいろと試行錯誤して、カメラやマイクの環境を整えていったのだろう。しかも、曲のタイトルを字幕で出すなどの工夫も凝らされていて、じつに心地よいライブだった。

それだけに、視聴者が7人というのは、なんとももったいなかった。僕はこれだけの配信環境を整えたことに敬意を表し、ささやかながら投げ銭をした。

ライブ演奏のほとんどは、ジロー君が作曲をしたオリジナル曲だった。その曲のタイトルの多くに「猫」が含まれていて、彼の猫好きの一面を彷彿とさせる。

僕が好きな曲は「暗渠と猫と月」である。聴いていると、夜、散歩をしているときに見つけた猫が暗渠の上を歩いていて、空には月が輝いている、という情景を思い浮かべることができる。

実はジロー君のもう一つの趣味は、「暗渠」なのである。彼のFacebookには、散歩をしている途中で見つけた暗渠の写真がよくあがっている。

僕の高校時代の後輩で、暗渠を見つけるのを趣味としている人間がもう一人いる。1学年下のアサカワ君で、彼もまた、ジャズマンである。散歩をして、暗渠を見つけると、それをFacebookにあげているのである。

在校中は、暗渠の話などしたことがないはずなのだが、たまたま二人は、暗渠という共通の趣味を持っているということが、最近になってわかったのである。

もしかするとこれは、ジャズマンに共通した趣味なんじゃないだろうか?タモさんもそうだったんじゃない?…あれは坂道か?

「ジャズマンはなぜ暗渠に惹かれるのか?」。これもまた、新書のタイトルになりそうである。

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DOWN TOWN

NHKの「うたコン」という番組を見ていたら、大滝詠一特集をやっていた。

3歳になる娘は、「君は天然色」のなかの、

「思い出はモノクローム 色を点けてくれ」

という一節が、なにかのCMで流れて以来、大好きで、何度も何度もくり返し歌っている。

番組内では、「君は天然色」のほかに、「幸せな結末」や、僕の大好きな「さらばシベリア鉄道」なども歌われていて、娘もどうやら気に入っているようだった。

ただ、残念なのは、(当然なのだが)いずれも「カバー」もしくは「セルフカバー」ばかりである。僕は「カバー曲」「セルフカバー曲」が、オリジナル曲が好きであればあるほど、なかなか苦手なのである。

話はそれるが、僕はある男性グループが、かつての名曲をカバーしまくっていることに我慢がならなかった。「Choo Choo TRAIN」とか「銀河鉄道999」とか。果ては「人間の証明」までカバーしたときには、軽い殺意を覚えた。頼むからオリジナル曲を蹂躙しないでくれ、と。

そんな中、「Juice=Juice」というアイドルグループが、山下達郎の「DOWN TOWN」という曲をカバーしていた。

大滝詠一特集なのになぜ山下達郎?と一瞬思ったのだが、この曲は大滝詠一がプロデュースしたのだそうだ(作詞は伊藤銀次、作曲は山下達郎)。

僕の世代からしたら、EPOがカバーしたバージョンが体に染みついている。ま、この場合、最初にEPOの曲として聴いて、あとから山下達郎本人の歌を聴いたから、僕にとってはEPOがオリジナルといってもよいのだが。

で、これをいまのアイドルグループがカバーするというので、若干の不安を覚えたのだが、実際に聴いてみると、これが実にいいのだ!

Juice=Juiceというグループを、僕はこの時初めて知ったのだが、歌もダンスも実に誠実。僕は最近のアイドルグループと言えば、なんとか坂みたいな名前のつくものばかりで、辟易していたのだが、このグループは、ちょっと応援したくなる、という気持ちになったのである。

というか、山下達郎の「DOWN TOWN」という曲は、女性アイドルグループがカバーするには、もってこいの曲なんじゃないだろうか?

たとえて言えば、韓国の伝説的なロックバンド「プファル(復活)」のボーカルだったイ・スンチョルのヒット曲「少女時代」を、K-POPアイドルグループの少女時代がカバーをして、これが見事にハマって大ヒットした、みたいな感じである。

いっそ、少女時代みたいに、DOWN TOWNというグループ名にして、この曲を代表曲にしちゃえばいいのに、とまで思ったのだが、すでに漫才コンビの名前として使われてしまっていることが、かえすがえすも残念である。

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紅白歌合戦雑感

1月2日(土)

新年の雑感をいくつか。

年末の紅白歌合戦、いつもよりもおもしろかったと感じた。全部を見たわけではないが、今年は新型コロナウィルスの影響で無観客とするなど、演出の大幅な見直しがあり、歌と歌の間に、紅組と白組のどちらが勝つかなどといった小賢しい演出があまりなく、歌を聴かせることに徹したように思えて、もう、男女に分かれてたたかうみたいなことはやめて、選曲にこだわって、スタジオで歌をじっくり聴かせるだけで十分なのではないか、と思えてきた。

元旦夜のTBSラジオ「新時代のコトバ会議」(武田砂鉄、ジェーン・スー、サンキュウタツオ、飯間浩明)のなかで、ジェーン・スーさんが言っていた次の言葉が、溜飲を下げた。

「男女が分かれてたたかっていることで紅白歌合戦がおもしろくなったという記憶がいままでない」

「男女に分けることでエンターテインメントとしてのおもしろさが増す、という経験をしたことがない」

「放送当日に箱の中からクジを引いて、3つくらいくらいのグループに分かれて、さあ分かれました、これで今年はたたかいます、という楽しみ方もあるのではないか」

なるほどその通りである。

毎年のテーマも、漠然としたものよりも、もっとシンプルでピンポイントにした方ががいいのではないか、と思う。今年は、朝ドラの「エール」にひっかけて、人々を元気づけるような歌の選曲が多かったような気がするが、それもまた、どちらかといえば今年よかったことの一因ではないかと思う。

その意味で僕がすごいと思ったのは、「おかあさんといっしょ」のスタジオライブである。

今年度は新型コロナウィルスの影響で、例年各地に出向いて行っているファミリーコンサートができない。その代わりに、スタジオライブというのをいままで3回行っており、毎回、テーマを決め、そのテーマに沿った歌を歌うという内容である。第1回目は「星」で、星にまつわる歌を歌っているのだが、谷川俊太郎作詞・細野晴臣作曲・高田漣編曲の「いるよ」を含め、選曲がすばらしかった。第2回目は「空」。「雲の手紙」とか「あしたははれる」(坂田修作詞・作曲)など、これまた選曲がすばらしかった。

そして年末に第3回目のスタジオライブがあったのだが、録画したのをつい先ほど見返してみて、ビックリした。3回目のテーマは「風」で、風に関する歌を選曲しているのだが、なんと、ゆういちろうおにいさんが、はっぴいえんどの「風をあつめて」を歌っていたのである!松本隆作詞、細野晴臣作曲の名曲「風をあつめて」ですよ!

ちょっとこれには身震いした。まさか「おかあさんといっしょ」で「風をあつめて」が聴けるとは!

SNSでの反響を見てみるともちろん大絶賛で、「選曲したのはゆういちろうおにいさん自身ではないか」という推測が目立っていたが、僕もそうだと思う。

松本隆のあの天才的な歌詞が、小さい子どもにわかるのだろうか?と、一瞬思ったが、ゆういちろうおにいさんが歌うと、そんな心配など杞憂に終わるくらい、番組にじつによく溶け込んだ歌になっているではないか!「おかあさんといっしょ」、攻めてるねえ。

考えてみればうちの娘(2歳9か月)が最近よく口ずさんでいる

「思い出はモノクローム 色をつけてくれ♪」

という歌詞のある「君は天然色」は、同じはっぴいえんどのメンバーだった大滝詠一の曲。やはりはっぴいえんどは偉大である。

つまり僕が言いたいのは、クオリティーの高い歌番組を作るヒントは、「おかあさんといっしょ」の中にある、ということである。

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リクエスト曲がかかりました

11月17日(火)

今日は朝から夕方まで、重い会議がビッシリで、憂鬱なことこの上ない。

今日の唯一の楽しみは、お昼のラジオである。

都内のある区のコミュニティーFMで、僕の知り合いのパーソナリティーが、うちの職場のイベントを紹介してくれることになっていて、しかも、僕のリクエスト曲がかかることになっているのだ。

放送時間は、ちょうど会議と会議の間の、お昼休みの時間である。しかもイベントについての話題と、僕のリクエスト曲がかかるのは、12時台の前半だと、あらかじめ聴いていた。

前回も書いたが、パーソナリティーに、「リクエスト曲の候補を3曲くらいあげてください」と言われたので、考えた末、このブログの「音楽」というカテゴリーで取り上げたことのある曲をリクエストしよう、と決めた。

まず、キム・グァンソクとか、韓国のミュージシャンの歌は、たぶん放送局に音源がないだろうから、ボツ。ましてや、僕が「タイのBEGIN」と勝手に呼んでいる Calories Blah Blahの歌なんて、あろうはずもない。

それから、インストゥルメンタルの曲も却下。

洋楽は、自分の知識のなさが露呈するから却下。

いま流行の曲も、自分の身の丈に合わないから却下。

「おかいつ」の曲も却下。

あとは、ベタでもなく、かといってまったくマイナーというわけでもなく、そこそこ知られていて、自分の青春時代の曲で、FMっぽい曲で、放送局に音源がありそうな曲、と言うことで、長考に長考を重ねた末、3曲を選び、パーソナリティーにメールした。すると、

「リクエスト、承りましたー!どれがかかるかは、お楽しみに」

と返信をいただいた。

さて翌日の今日、いよいよ自分のリクエスト曲がかかる時間である。ドキドキしながら聴いていると、

「鬼瓦さんからのリクエストは、この曲です」

とかかった曲は、僕がひそかに第一希望と考えていた曲だった!いやあ、よかった。

実はこの曲の背景には、いくつかの語るべき物語(というか蘊蓄)があるのだが、パーソナリティーは、それを過不足なく解説してくれた。

Twitterのハッシュタグタイムラインを見てみたら、どちらかといえばマイナーなこの曲に、常連リスナーの人たちが湧いていて、

「どうだい、俺の選曲眼は!俺のセンスも捨てたもんじゃないだろう!」

と、すっかり気分がよくなったのであった。

だが結論として言えることは、リクエスト曲を決めるのは、そうとうに疲れる作業だ、ということである。

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お知らせ2件

11月5日(木)

今日が死ぬほど忙しくて疲れたってことは置いといて。

昨日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」の「大竹メインディッシュ」のコーナーのゲストは、坂田おさむ、坂田めぐみ親子でした!

‥あれ、ご存じない?7代目のうたのおにいさんですよ!僕の中では、「おかいつ」の中興の祖と位置づけられている。名曲を量産したおにいさんなのである。

最近だと坂田めぐみ作詞、坂田おさむ作曲の「ワンツースリー」が名曲だ。ギターのソロがアルフィーっぽくて昭和のロックを彷彿とさせる。フォークやロックの洗礼を受けたおさむおにいさんの本領がいかんなく発揮されている。

なぜこの二人が、およそ不釣り合いの大竹まことと壇蜜のラジオ番組に出たのかというと、娘の坂田めぐみさんがファーストアルバムを出したからだそうだ。

しかしそれだけではないように思える。番組スタッフの中に絶対「おかいつ」ファンがいるのだろうな。

坂田親子と大竹壇蜜コンビなんて、話が合わないんじゃないかと思って聴いていたら、意外にも話が盛り上がって安堵した。

ビックリしたのは、坂田家は親子で音楽の教科書に自分が作った曲が採用されたということである。坂田おさむさんは「ありがとうの花」、坂田めぐみさんは「TODAY」という曲で、それぞれ教科書に載ったのだそうだ。

「親子で音楽の教科書に載ったのは、中田喜直先生の『めだかの学校』と、そのお父さんの中田章先生の『早春賦』以来だそうです」とのこと。そうなるともう歴史上の人物だよね。

…今日書きたいのは、このことではない。

僕が取材を受けた女性週刊誌がいよいよ今日(11月5日)、発売されたことである!

ついに女性週刊誌デビューですよ!

デヴィ夫人とか、宮崎美子還暦ビキニとか、そういった話題と並んじゃったんだからなんともシュールである。

記事にはちゃんと名前も出たので、ギャラの振り込み口座を教えてくれという連絡が来て、口座番号をホイホイと教えたのだが、後になって職場の担当事務から出版社に「うちの職場の規定で、ギャラは辞退します」というメールが出され、結局ノーギャラになった。ま、いいんだけどね。

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「ぼよよん行進曲」を国歌に!

8月17日(月)

文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ」の中で、「ゴールデンヒストリー」という10分程度のコーナーがある。市井に生きる人々の、何気ない人生の軌跡を、大竹まことが朗読するというもの。番組の放送作家が毎回、無名の人に取材をして、それを原稿にまとめ、大竹まことが静かに朗読する。

今週のテーマは、「がんとともに生きる」。今日は、ステージ4の肺腺がんと診断された、2児の母の物語である。正確ではないが、僕なりに聴いた内容をまとめると、次のようになる。

ステージ4の肺腺がんと診断されたのは、44歳のとき。がんは肺全体に散らばり、外科手術はできない状態にあり、分子標的薬という抗がん剤を服用しながら治療することになる。

分子標的薬は副作用が強く、皮膚は炎症を起こし、下痢が止まらない。加えて、薬の値段は高額で、家計を圧迫する。

自分には小学生の子どもが二人いる。少しでも家計を助けるために、仕事をしたいのだが、副作用による体調の悪さから、気持ちに波ができてしまう。

転機となったのは、息子が持ち帰ってきた保健体育のテスト。「生活習慣病が引き起こす病気はどれか?」という問題の選択肢に「がん」があり、息子はそれに○をつけると、正解となっていた。

これを見て、まるで自分の生活習慣が悪かったからがんに罹ったと言われているような気がして悲しくなり、思い切って息子の学校に抗議の電話をかけた。

そのとき、対応してくれた学校の先生が、自分の気持ちに寄り添って話を聞いてくれた。

そのとき初めて、自分はステージ4の肺腺がんであると、他人に告白する。そして次第に、自分の周囲に、自分の病気のことを理解してくれる人が増えてきた。

自分はたしかにがん患者である。でも、ふつうに仕事がしたいし、一人前に扱ってもらいたい。そんな社会が来れば、どんなに救われることだろう。

いま、その方は、仕事に復帰し、同じ立場で苦しんでいる人をケアする仕事をしている。

…大竹まことの静かな朗読が終わると、曲が流れた。

「ぼよよん行進曲」だ!

昼間の民放ラジオ番組で、この歌が流れてきたのは、不意打ちである。

もうね、こんなもん、どうやったって泣いてまうやろ!

「ぼよよん行進曲」の選曲は、おそらくこのインタビューに応じた方のリクエストによるものなのだろう。今日の前向きな物語に、これ以上マッチした選曲はない。

聴いていて、ふと気づいた。

「ぼよよん行進曲」には、さまざまバージョンがある。歴代の歌のおにいさん、おねえさんが歌ったものから、それこそ、作詞作曲した中西圭三さんがソロで歌っているものもある。この日、流れていたのは、だいすけおにいさん&たくみおねえさんバージョンだった。

小学生の息子がいる、ということは、この方が子どもと一緒にリアルタイムで見ていた「おかあさんといっしょ」は、だいすけおにいさん&たくみおねえさんのときだったのだ。だから、どうしてもこの二人が歌っているバージョンでなければいけなかったのだ、と。

「ぼよよん行進曲」で励まされていたのは、子どもではなく、母親のほうだった。否、この歌に世代など関係ないのだ。

だから僕は提唱したい。

「ぼよよん行進曲」を国歌に、と。

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オンラインライブ

6月7日(日)

とくに何も書くことがない。相変わらず、職業的文章が書けずにこの週末も終わってしまった。いよいよやばい。

最近、いろいろな有名人がYouTubeで動画配信をするので、空いた時間はついチャンネル登録している番組を観てしまう。もういい加減観るのはやめた方がいいな。

そんな中、ミュージシャンをやっている、高校時代の2学年下の後輩が、ライブ配信をするということをSNSで知り、ちょうどそれを知った時間がライブ配信をしている真っ最中だったので、観てみることにした。

そのライブは、小さなバーみたいなお店で行われていて、演奏者は、その後輩と、もう一人の、合計2人という、こぢんまりした編成だった。画面で見る限り、お客さんが一人いた。当初、ちょっと機材のアクシデントみたいなことがあったのだが、後半くらいに持ち直したようだった。

僕はびっくりしたのだが、そのライブ配信映像は、とても画質がよく、また音もクリアだったので、あたかもライブ会場にいるような感覚になった。つまりタブレットを観ていて全然ストレスを感じなかったのである。

その後輩は、こんな状況下で仕方なく始めたオンラインライブに慣れているはずもないと思うのだが、それでも、あれくらいのクオリティーのライブ配信ができるのか、と感動したのである。

ライブ会場で聴いていた一人のお客さんというのは、どこかで見た顔だなあと思ったのだが、よくその後輩のSNSにコメントを寄せてくる人で、後輩のバンドの熱烈なファンらしい。よく写真をアップしていて、お顔をよくみていたので、ああ、あの人か、とわかったのである。一面識もないのに、なぜか昔からの知り合いのように感じてしまうから不思議である。

その後輩は、日常的には散歩が趣味で、行った先の写真をSNSにアップしているのだが、そこに載せている写真が僕の琴線に触れるものが多く、しばしばコメントでやりとりをしたり、あるいは当人同士だけでやりとりできるツールでマニアックな情報交換をしたりと、ごくたまにではあるが、そんなことをしている。

こうなるともう、わざわざ会う必要はないね。ライブを観たり、散歩で出くわしたけったいなものについてSNS上で情報交換したりするできるのだから、以前にたまーに会っていた頃よりもむしろ「密」な関係になっている。まさに「フィジカル・ディスタンス」「ソーシャル・コネクテッド」の世界やね。

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発車メロディに由来あり

この1か月ほど在宅勤務のため通勤していないのだが、ふだん通勤で使っている駅の発車メロディが、聞いたことのあるメロディで、耳について離れない。1番線と2番線、それぞれ別の曲である。

一つは「おはなしゆびさん」という童謡の一節であることはすぐにわかったのだが、もう一つはどこで聞いたんだったかなあと気になっていたら、「おかあさんといっしょ」で歌のおねえさんが歌っていた「やまのワルツ」という歌の一節だということに気づいた。だから耳馴染みがあったんだな。

どうしてこの二つの童謡がこの駅の発車メロディに選ばれたたんだろうと思って調べてみると、この駅のある町に住む湯山昭さんという作曲家が1962年に作曲した童謡であるらしい。つまりこの町にゆかりのある作曲家が作った童謡の一節が、発車メロディとして採用されたわけである。

「おはなしゆびさん」も「やまのワルツ」も、今現在、「おかあさんといっしょ」でたまに歌われている。無数にある童謡の中で、今でも歌われ続けている名曲なのである。

この2つの童謡を作詞したのが、香山美子さんという方で、てっきり女優の香山美子(かやまよしこ)さんなのかなと思っていたら、そうではなく、児童文学作家の香山美子(こうやまよしこ)さんという方だ、ということもわかった。知らないことが多いなあ。

さらに、湯山昭さんの娘さんは、ワイドショーなんかでコメンテーターとしてよく出ている湯山玲子さんだということもわかった。ここまでくると、どこまでが必要な知識なのかはわからない。

全国の駅の発車メロディについては、当然、マニアがいるのだろうな。これ以上は深入りしない。

 

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