1月16日(木)
毎日毎日大変だ。縦割りの会社なのであっちこっちからいろいろな仕事が降っている。
それを象徴するのが午後からの会議である。
13時30分から始まる会議が2つあり、その両方に僕は出なければならないことになっていた。つまりダブルブッキングである。
いずれも僕が入院中に日程が決まった会議であり、僕もそのことにうかつにも気づかなかった。
もちろん、コピーロボットがいない限り、2つの会議に同時に出席することはできない。交渉した挙げ句、僕が司会進行をしなければならない会議の方を優先させてもらった。ま、あたりまえなのだが。もう一方の会議は僕がいなくても定足数に達していることも確認した。
会議の前後にはさまざまな書類を作成しなければならず、1日があっという間に終わった。
仕事の依頼が2つほど来た。
1つは、第2本社からの依頼である。僕は第2本社の20ある支社あるうちの、1つの支社の責任者を任されているので、僕に直接メールが来たものと思われる。
その内容は、今年の4月、つまり来年度の初めに行われる若手研修セミナーで登壇者になってほしいという依頼である。毎年、20の支社から5名が登壇するのだという。
僕は困惑した。研修セミナーが行われる第2本社は、同じ関東地方とはいっても、交通の便がひどく悪いところにあると聞かされていた。だから、本来であれば一度は第2本社に行かなければならないような立場なのに、めんどうくさいという理由で今まで一度も行ったことがない。
それにもうひとつの懸念は、うちの支社の場合、責任者の任期は1年が原則で、再任されることもあり得るという慣習なので、1年つとめた僕は、来年度は責任者でない可能性もある。どうせ責任者という立場主義で依頼してきたのだろうと思い、そのことを伝えると、
「責任者であるかどうかは関係ありません。副社長がぜひ鬼瓦さんに登壇してほしいというものですから」
責任者であるかどうか関係ないんだったら、俺じゃなくてもよくね?うちの支社で相応しい人ならもっといるぜ。
思いあたるフシといえば、前に一度、副社長の考えに異を唱えたことがあり、そのことをはっきりと伝えたことがあった。ひょっとしたらあのときに悪目立ちしたことで目を付けられてしまったのかもしれない。
しかし、そこまで言われてしまうと、こちらとしてもあとには引けない。めんどくせえけどしぶしぶ引き受けることにした。
もう1つは、フランス雑誌からの原稿依頼である。もちろん直接依頼が来たのではなく、以前お世話になった同僚が仲介していて、このたびその仲介をしている元同僚から正式に依頼が来たのである。
あるテーマで特集を組むということで、その執筆メンバーとその仮題目、そして簡単な執筆内容が送られてきたのだが、見るとその道の錚々たるメンバーばかりであり、自分にはとても荷が重すぎる。しかし僕が断ってしまうと、執筆者が女性ばかりに偏ってしまう。それはそれで不健康な話だ。そうなるとあとには引けない。お世話になった元同僚からの依頼でもあるし、僕は恥を忍んで引き受けることにした。締切は1年後なので何とかなるだろう。
あまりにやることが多すぎて、ポカをしてしまいそうだ。それでなくとも会議をすっぽかしたりすることがあるのだ。もはや自分を信用できない。
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